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1月9日の小話
大声のしらみ、小声のわたくず
♪おはなしをよんでもらう(html5) |
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朗読者 : ごまごま 運営サイト : 昔話が好きなんです |
店の主人と小僧が、浅草(あさくさ)の観音(かんのん)さまにお参りに行った時の事です。
賑やかな仲見世(なかみせ→社寺の境内などにある商店街)通りを歩いていますと、小僧が突然主人の背中を指差し、大きな声で言いました。
「あっ、だんなさま。だんなさまの背中に、しらみがついております」
「馬鹿! そんな事は小声で言え! 恥ずかしいだろ」
主人は慌てて小僧に言うと、小僧は声を小さくして言いました。
「・・・間違えました。・・・これはしらみではなく、・・・ただの綿くずでございました」
「馬鹿! それなら大きい声で言え!」
大声と小声、使い方が難しいですね。
♪ちゃんちゃん
(おしまい)
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