|
|
福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 2月の江戸小話 > 用心
2月13日の小話
用心
あるところに、植木の大好きな旦那がおりました。
ある日の事、旦那は植木屋から手に入れた柳(やなぎ)の木を十本ばかり庭に植え込みましたが、近所の子どもたちがそれを珍しそうに見ていたので、いたずらをされる様な気がしてなりません。
そこで用心に、旦那は小僧に植木の番を命じました。
さて、それから何日かたって、旦那が小僧に尋ねました。
「どうだ様子は? 子どもたちがやって来て、大切な柳の木を引っこ抜いたりしなかったかい。木と言う物は、根っこが痛むと駄目だからな」
すると小僧は、安心しろと言わんばかりにこう言いました。
「はい、そう言う事があると困ると思い、用心の為にわたしが抜いて物置にしまっておきました」
♪ちゃんちゃん
(おしまい)
|
|
|