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8月17日の小話
化け物退治
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「ぐっすり眠れる優しいおやすみ朗読」
むかしむかし、ある町はずれに、化け物の出るとうわさの屋敷がありました。
「よし、おれが化け物を退治してやろう。化け物なんて、酒のさかなに食ってやる」
一人の若者がそう言ってお酒をたくさん用意し、化け物屋敷に出かけました。
若者は屋敷に入って待っていましたが、化け物はなかなか出てきません。
若者はすっかりたいくつして、酒をどんどん飲みはじめました。
そしてすっかり酔っぱらって、ぐっすりと寝込んでしまいました。
翌朝、若者がようやく目を覚ましました。
「なんだ、もう朝か。しかし化け物のやつ、ゆうべは出てこなかったな」
若者は屋敷の門まで行くと、屋敷に向かって大声でさけびました。
「やい、化け物。夕べはおれが怖くて出なかったんだな。だったらもう、二度と出てくるんじゃないぞ」
すると屋敷の中から、化け物の声がしました。
「何を言ってやがる、おれがいくら起こしても、ぜんぜん起きなかったくせに」
それを聞いた若者は、びっくりです。
「うひゃー、化け物だー!」
若者大あわてで、逃げていきました。
♪ちゃんちゃん
(おしまい)
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