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第 201話

お正月の一日目の呼び方

お正月の一日目の呼び方
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 むかしむかしのお正月、ある家の物置に住んでいるネズミたちが、お正月のあいさつをしています。
「明けまして、おめでとうございます」
「おめでとうございます。どうぞ今年も、よろしくお願いします」
 その声に目を覚ましたねぼすけネズミも、だれかとあいさつがしたくなりました。
 そこで庭へ出てみると、ちょうど犬がやってきました。
(そうだ。あの犬に、あいさつをしよう)
 ネズミは、チューチュー鳴きながら犬のところへ行って、
「今日は、一月チュータチですね。おめでとう」
と、言いました。
 すると、いつもワンワン鳴いている犬が、
「はい、おめでとう。でも、今日はチュータチじゃない。ワンジツじゃ」
と、言いました。
「ワンジツだって? いいえ、今日はチュータチですよ」
 ネズミは、むっとして言いかえしました。
 すると、犬も腹を立てて、
「チュータチなもんか。今日はワンジツじゃ!」
と、言いました。
「チュータチ!」
「ワンジツ!」
 二匹は言い争っているうちに、とうとう喧嘩になってしまいました。
「よし! それではどっちが正しいか、誰かに聞いてみよう」
「いいとも、いいとも。誰に聞いたところで、今日はワンジツだけどな」
 その時、向こうからネコがやってきました。
 そこで、犬が聞きました。
「ネコさん。ちょっと尋ねるが、今日はチュータチと思うか? それともワンジツと思うか?」
「さあ? どっちでもいいんじゃない?」
 ネコは、興味なさそうに答えました。
「どっちでもいいでは困る。ワンジツだろ!」
「いいや、チュータチだよね!」
「・・・うーん」
 困ったネコは、しばらく考えていましたが、
「さあ、わたしには、ニャンとも言えないが、それより腹が減ってきた」
と、言いながら、ネズミの顔をじろっと見ました。
「わ、わ、わたしを食べないでー!」
 ネズミは、あわてて物置の中へ逃げていきました。
 それを見て犬が、
「ほれ見ろ。やっぱりわしの言った通りだ」
と、言いました。
 するとネコが、こわい顔で怒鳴りました。
「わたしの大切な食べ物を逃がしてしまって、ニャンとしてくれる!」

 この話し、なかなか終わりませんね。

おしまい

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