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4月26日の日本民話 2
子どもの好きな地蔵さん
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むかしむかし、ある村の道ばたに、小さなお地蔵(じぞう)さんがころがっていました。
村の子どもたちがお地蔵さんをゴロゴロころがして遊んでいると、通りかかったお百姓(ひゃくしょう)のおばあさんが言いました。
「こら! お地蔵さまをおもちゃにするとは、なんともったいない。このお地蔵さまは、ばばがもらっていくよ」
そう言っておばあさんは背負っていたカゴの中に地蔵さんを入れると、村はずれの見はらしのいい丘の上に持っていきました。
そして草花をそなえて、まつってあげたのです。
すると不思議なことに、お地蔵さんをおもちゃにして遊んでいた子どもたちが、次々と熱を出したのです。
子どもたちの熱は、何日も何日も治りません。
「どうしたんだ? まさかお地蔵さまの罰か?」
家の人たちが心配していると、一人の子どもの親の夢にお地蔵さんが現れて言いました。
「子どもたちと遊びたかったのに、丘の上などにまつられておもしろくもない。はやく子どもたちと、遊びたい」
子どもの親たちはビックリして、さっそく丘の上から地蔵さんを村へ連れてきました。
そして病気の子どもの家を地蔵さんを連れて一軒一軒まわると、子どもたちはすっかり元気になったのです。
親たちは大変喜んで、地蔵さんを『子育て地蔵』」と名づけました。
そして地蔵さんがころがっていた道のかたわらに、小さなお堂をたててまつることにしたのです。
やがてこの子育て地蔵の話は、近くの村々へも広がっていきました。
子どもが病気で困っている人たちは地蔵さんをかりにきて、しばらくその子と一緒にしておきます。
すると子どもはすぐに元気になり、親たちはお礼として地蔵さんにかわいらしい着物を着せてやるのだそうです。
今では毎月二十八日に村のお堂に集まって、みんなでお祭りをするそうです。
おしまい
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