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7月31日のｲｿｯﾌﾟ童話



セミ

　 こういう話があります。
　 セミはむかし、芸術の女神のミュウズが生まれる前は人間でした。
　 ミュウズの女神が生まれて歌を聞かせますと、人間の中には、その歌の美しさにむちゅうになって、食べることも飲むこともわすれて、歌ばかり歌っているうちに死んだ者がありました。
　 このなかまから、セミが出てきたのです。
　 ミュウズの女神は、この歌のすきな人々に、ものを食べたり飲んだりせずに、死ぬまで歌を歌えるようにしてやったのです。

　 芸術を愛する人の中には、食べることやねることよりも、芸術を大切にする人がおおいです。

おしまい