福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 6月の江戸小話 > ダイコンが白いわけ
6月9日の小話
ダイコンが白いわけ
むかしむかしは、にんじんとゴボウとダイコンは、同じ色をしておりました。
ある日のこと、にんじんとゴボウとダイコンが、お風呂に入ることになりました。
「いちばーん!」
あわてん坊のにんじんは、一番先にお風呂に飛びこみました。
そうしたら、お風呂のあついこと、あついこと。
でも、にんじんはまっ赤な顔でがまんしながら、あついお風呂に入りました。
それで、にんじんの色は赤くなったのです。
次に入ったのが、めんどくさがり屋のゴボウです。
「あつい湯だなー」
ゴボウはあついのがきらいなので、体もあらわずにお風呂から出て行きました。
それで、ゴボウの体は黒い色をしているのです。
最後に入ったのはダイコンです。
「ちょうどいい、湯加減だ」
ダイコンは最後に入ったので、あついお風呂のお湯も、ちょうど良い温度になっていました。
気持ちの良いお風呂だったので、きれいに体をあらい、まっ白けになりました。
それで、ダイコンの体はまっ白けなのです。
おしまい