日本の有名な話 第40話
最後のうそ
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むかしむかし、あるところに、うそつきの名人がいました。
その名人は年を取って体が弱くなり、もうすぐ死ぬばかりとなりました。
「うそつき名人といっても悪いうそはつかず、うそで人を笑わせるいい人だった」
みんなそう言って、うそつき名人のところへ集まってきました。
するとうそつき名人は、小さな声で言いました。
「みなさん、どうか元気で暮らしてください。
その為のお金を、少しばかり用意しています。
わたしが死んだら、この家の床下を掘ってみてください。
つぼの中に、お金が入ってます」
間もなく、うそつき名人は亡くなりました。
お葬式(そうしき)が終わると、みんなは床下を掘ってみました。
うそつき名人が言った通り、つぼが出てきました。
そのつぼのふたを取ってみると、一枚の紙が入っていました。
その紙には、
《みなさん、これがわたしの最後のうそです》
と、書いてありました。
おしまい
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