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豆の木になった子どもたち
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むかしむかし、あるところに、青ちゃん、紅ちゃん、白ちゃん、黒ちゃんという女の子がいました。
青ちゃんは、いつも緑色の服を着ています。
紅ちゃんは紅色の服を、白ちゃんは白い服を、黒ちゃんは黒い服を着ていました。
四人はとても仲良しで、どこへ行く時も一緒でした。
ある十五夜の晩、お祭りがあるというので、四人は山の向こうの村へ出かけました。
村の子どもたちはみんなまっ白な服を着て、楽しそうにおどっています。
子どもたちは四人を見ると、すぐにそばにやってきて、
「一緒におどろうよ」
と、言ってくれました。
でも、四人は、
「よその子とおどるのはいや!」
と、言って、四人だけで手をつないでおどりました。
「なんて、わがままな子どもたちだ」
ヤシの木の上にいた風じいさんが、顔をしかめました。
「おーい、雲ばあさん、ちょっくら月姉さんのとこへ行って、四人の子どもをしかるように言ってくれ」
そう言って風じいさんは、雲ばあさんの空高く背中を押しあげました。
そのいきおいで、雲ばあさんは月姉さんのところまで登っていくと、
「月姉さん、あのわがままな四人の子どもを、しかっておくれ」
と、言いました。
月姉さんも、さっきから四人を見て怒っていたので、
「わかりました。あの子どもたちを、豆の木に変えてしまいましょう」
と、月姉さんは手に持っていた魔法の杖を、さっとひとふりしました。
そのとたん、青ちゃんは青豆の木に変わりました。
そして紅ちゃんはあずきの木に、白ちゃんは白豆の木に、黒ちゃんは黒豆の木に変わりました。
それから村の子どもたちも、みんな仲良くなるようにと、イネのなえに変えてしまいました。
「みんなが仲良く出来るようになったら、また出てきますからね」
月姉さんはそう言うと、雲ばあさんの後ろに姿をかくしてしまいました。
やがて田んぼの中のイネも、そのまわりにある四本の豆の木もぐんぐん大きくなり、イネからはお米が、四本の豆の木からは、青豆と白豆と黒豆とあずきが飛び出してきました。
そして村人たちは十五夜の晩になると、この豆やお米を一緒に煮込んで、おいしいおかゆをつくることにしました。
そして村人が、そのおかゆをお月さまにお供えして、
「お月さま、みんな仲良くなりましたよ」
と、言って手を合わせると、
「そう。それはよかったわ」
と、お月さまはとても喜んで、雲の中から顔を出してくるのです。
おしまい
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