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1月2日のイソップ童話

塩をはこぶロバ

塩をはこぶロバ

♪音声配信

亜姫のイソップ童話より

 むかしむかしのある暑い日、ロバが背中に荷物をいっぱいのせて、ヨタヨタと歩いていました。
 橋を渡っているとき、ロバはあんまり暑いので、くらくらして川に落ちてしまいました。
 すると、どうでしょう。
 急に背中の荷物が軽くなったのです。
 ロバの荷物は塩だったので、ぜんぶ水にとけて流れてしまったのでした。
 次の日、ロバの飼い主はうんと軽い荷物をロバの背につみました。
 川に落ちたロバを、少しでも楽させてやろうと思ったのです。
 しかし、ロバはきのうの川が見えると、こう思いました。
(川に落ちれば、また、荷物が軽くなるにちがいない)
 そして、わざと川に落ちました。
 ところが荷物は川の水を吸って、ズシンと石のように重くなり、ロバのからだにのしかかりました。
 今日の荷物は、ワタだったのです。
 ワタは水を吸うと、どんどん重くなってしまいます。
 ロバは自分の作戦が失敗したことに気づいたときはもうおそく、とうとうおぼれ死んでしまいました。

 このロバと同じように、人間もずるいことをやる人は、うまくいったと思っても、思いがけない不幸におちいることがあります。

おしまい

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