福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 1月のイソップ童話 > 造船所のイソップ
1月16日のイソップ童話
造船所のイソップ
♪音声配信
亜姫のイソップ童話より
イソップは、ある日ひまつぶしに、造船所に寄ってみました。
造船所の職人たちは、へんな人がきたと思って、くやしかったらなんとかいってみろと、わいわいからかいました。
そこでイソップは、こんな話しをしたのです。
「むかしむかし、まだこの地球が形もなくて、水しかなかったときのことです。ゼウスの神は、水だけではこまると考えて陸を呼びました。そして、『これから3回にわけて、この地球ぜんたいにある海の水を飲みなさい』といいつけました。陸はさっそく、仕事にかかりました。1回目に、ぐーっと飲むと、山が出てきました。それから2回目に、ぐーっと飲むと、平野があらわれました。というわけだから、こんど3回目に陸がぐーっとやれば、海はなくなってしまうから、あなたがたも仕事がなくなるわけですよ」
このお話しは、自分よりも頭のいい人をからかうと、ひどいしっぺがえしをくらうということをおしえています。
おしまい