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2月28日のイソップ童話

足をけがしたふりをするロバとオオカミ

足をけがしたふりをするロバとオオカミ

♪音声配信

亜姫のイソップ童話より

 ロバがまきばで草を食べていると、オオカミがやってくるのが見えました。
 ロバは、足をけがしたふりをしました。
 オオカミが寄ってきて、
「どうして、足をひきずっているの?」
と、たずねました。
「垣根(かきね)をとびこえようとして、イバラに足をついてトゲを刺してしまったからです。あなたはぼくを食べるつもりでしょうけれど、その前に、トゲをぬいてくれませんか。そうすれば、口にトゲが刺さる心配なしに、ぼくを食べることができるでしょう」
 オオカミは、なるほどそのとおりだと思いました。
 オオカミがロバの足を持ちあげて、いっしょうけんめいに、ひづめをしらべているのを見すまして、ロバは「ガツーン!」と、オオカミの口を思いきりけとばしました。
 おかげでオオカミの歯は、ぜんぶ折れてしまいました。
 ひどい目にあったオオカミは、いいました。
「おれがバカだったんだ。おやじからしこまれた仕事は肉屋なのに、医者のまねなんか、どうしてする気になったのだろう」

 このように、自分にできもしない仕事をやろうとする人は、へまをして、ひどい目にあうのがあたりまえです。

おしまい

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