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10月6日のイソップ童話

セミとキツネ

セミとキツネ

 セミが、高い木の上でないていました。
 キツネがそのセミを食べたいと思って、ある作戦を思いつきました。
「セミくん、きみはいい声をしていますね。いや、本当にいい声だ。そんなにいい声で歌う方と、ぜひともお友だちになりたいので、どうかおりてきてくれませんか」
 キツネのわるだくみに気づいたセミは、木の葉を一枚むしって、キツネの前に落としました。
 キツネはそれをセミだと思い、飛びついて食べてしまいました。
 それを見たセミは、
「やっぱりね。おあいにくさま。わたしがおりていくと思ったら、大まちがいですよ」
 だまされたキツネはいいました。
「この前はこの作戦が成功したのに。どうして、わたしがきみを食べようとしている事がわかったんだ」
 セミはそばにあるキツネのフンをさしていいました。
「だって、きみのフンの中に、セミの羽がまじっているじゃないか」

 身近な人の失敗は、わたしたちをりこうにしてくれます。

おしまい

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