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10月17日のイソップ童話
王さまを欲しがるカエル
自分たちのところに王さまがいないのを悲しんでいたカエルが、ゼウスの神のところへおつかいを出して、王さまを下さいとたのみました。
ゼウスはカエルたちがバカなのを見て、沼の中に木ぎれを落ちしました。
カエルたちは、はじめ、その音におどろいて沼の底にもぐりました。
けれど、いくらたっても、その木ぎれがうごかないものですから、浮きあがってきてそれをバカにして、その上にのってすわっていました。
そんな王さまをもっては肩身がせまいと思ったので、カエルたちはもう一度、ゼウスのところにやってきて、王さまをとりかえて下さいとたのみました。
はじめの王さまは、あんまりぐずだというのです。
するとゼウスはカエルたちに腹をたてて、こんどはヒドラという大蛇をよこしたので、カエルはみんなのまれてしまいました。
たとえぐずでも、悪くない王さまのほうが、たとえ優秀でもひどい王さまよりは、まだましです。
おしまい