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7月7日の小話
風鳥
「世の中は、さすがに広いだけあって、いろんな虫がいるようだ。何でも蚊(カ)のまつ毛に、巣をつくる虫がいるそうだ」
「へえ! ほんとうにですか? ほんとうにそんな小さな虫がいるのでしょうかね」
「いるらしいな。もっとかわったのになるとな、大空の、ずっとずっとおくの方に住んでいる鳥に、風鳥(ふうちょう)という鳥がいるのだそうだが、この鳥は、風をえさにして生きているということだ」
「へええー、これも初めてきく話だ。それなら、その鳥は、どんなフンをするのでしょうかね?」
「そうだなあ、なにせ、風だけしか食べていないのだから、きっと、おならだけだとおもうよ」
おしまい