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10月31日の小話
いたみどめ
男が、わき見をしながら、町の中を歩いておりました。 歩いているうちに、《いたみどめ》と書いた、薬屋の広告のかんばんのかどに、いやというほどおでこをぶつけて、大きなこぶをつくりました。 男は、いたそうに顔をしかめながら、かんばんをぐっとにらんで、 「このうそつきめ! なにがいたみどめだ!」
おしまい