福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     2月24日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
月光仮面の日
きょうの誕生花
クロッカス
きょうの誕生日・出来事
1967年 コージー冨田 (タレント)
  2月24日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
よっぱらいのばけものたいじ
きょうの世界昔話
橋の上の幸福
きょうの日本民話
爺婆かぼちゃ
きょうのイソップ童話
よっぱらいとおかみさん
きょうの江戸小話
小男のねがい
広告
 

福娘童話集 > きょうの新作昔話 > 長者の森

2009年 2月24日の新作昔話

長者の森

長者の森
山口県の民話山口県情報

 むかしむかし、ある山のふもとに二軒の家がありました。
 二軒の家は、どちらも貧しい炭焼きの家でした。
 ある日の事、一軒の家には男の子が、もう一軒の家には女の子が生まれました。
 そして二人の父親は、子供たちが大きくなったら結婚させる約束をしました。
 ところがこの女の子には、山の福の神がついていました。
 女の子が山へ行くと、ただの木の葉や石ころまで、みんなお金にかわってしまうのです。
 そんなわけで、女の子の家はお金持ちになっていきました。
 しかし男の子の家の方は、あいかわらず貧乏なままでした。
 やがて二人の子供が年頃になったころ、男の子の父親はむかしの約束を思い出して、息子を婿にしてくれと女の子の家に申し出ました。
 女の子の父親は約束を守り、二人は夫婦になりました。
 福の神のおかげで家はますます豊かになっていき、長者屋敷といわれる屋敷には、蔵がいくつもいくつも建ち並びました。
 さてそうなると、主人にはおごりが出てきました。
 遊びに出て夜遅く戻っては、冷めてしまった料理を見て、
「こんな冷たいものを、食べられるか!」
と、妻をどなりつけるのです。
 そこで妻は考えて、ある夜、熱いそばがきを出しました。
 しかし、ぜいたくに慣れた主人は、
「なんだ、こんなまずい物!」
と、言うと、足で蹴り飛ばしたのです。
 すると、ザワザワという音と共に、蔵からたくさんの穀象虫(こくぞうむし)と白い蛾(が)が出てきました。
 それは主人のふるまいに怒った福の神が、米を全部虫や蛾にしてしまい、自分も立ち去って行く姿だったのです。
 それからは主人は何をしても失敗ばかりで、やがて広い屋敷もなくなり、一家は行方知れずになってしまいました。
 それから月日が流れて、かつての長者屋敷は森になりました。
 人々はそれを「長者の森」と呼び、ぜいたくやおごった心を持たぬようにとの、戒めにしたということです。

おしまい

ページを戻る

きょうの新作昔話メニュー
福娘童話集
きょうの新作昔話
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識