福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
福娘童話集 > きょうの新作昔話 > 芝居見物 吉四六(きっちょむ)話
     4月 2日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
図書館開設記念日
きょうの誕生花
さくら
きょうの誕生日・出来事
1951年 岡本綾子 (ゴルフ)
  4月 2日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
千里の靴
きょうの世界昔話
パイプをもらったクジラ
きょうの日本民話
おりょう坂
きょうのイソップ童話
きりょうよしをじまんしあうツバメとカラス
きょうの江戸小話
わすれ草
広告


2008年 4月2日の新作昔話

芝居見物

芝居見物
大分県の民話大分県情報

 むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。
 ある日、臼杵(うすき→大分県)の町に、都から芝居がやってきました。
 この辺りでは、これほどの大芝居は初めてです。
 毎日多くの人が押しかけ、うわさを聞いたきっちょむさんも、臼杵まで山をこえてやってきました。
 町に着くと、大きな芝居小屋がたっていました。
 芝居小屋の前には役者の名をそめたのぼりが立っていて、入口には、きれいな絵看板がならんでいます。
 きっちょむさんは、さっそく入ろうと思いましたが、
「しまった!」
 かんじんのお金を、忘れてきたのです。
「これでは、入る事はできんな」
 そこできっちょむさんはあれこれと考えて、一つの名案を思いつきました。
「よし、この手でいこう」
 きっちょむさんは人ごみにまぎれて芝居小屋の入口までやってくると、くるりと向きを変えて、わざと大きな声で言いました。
「どうしたのかなー! あいつはー!」
 そして、人を探すふりをはじめたのです。
 まるで人を探しながら、いま、この芝居小屋の中から出てきたといわんばかりです。
 キョロキョロしているきっちょむさんの後ろに、芝居小屋へ入ろうとする大勢のお客がつめかけてきました。
 それでもまだ、
「こないなあー! あいつー!」
と、わざと入ってくる人の邪魔をするようにしていると、芝居小屋の番人がやってきて、
「もしもし、そこの人。出るのかね? 入るのかね? 出るなら出る、入るなら入るで、はやくしておくれよ。じゃまになるじゃないか」
 するときっちょむさんは、すまなそうに言いました。
「いやー、連れとはぐれたんだが、えい、中で待つとするか」
 こうしてきっちょむさんは芝居小屋に入っていき、ただで芝居見物をしたのです。

おしまい

ページを戻る

きょうの新作昔話メニュー
福娘童話集
きょうの新作昔話
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識