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3月21日の日本の昔話

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)
イラスト 緑風 ひお

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)
八百比丘尼

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福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

若狭の国(わかさのくに福井県)の古いほら穴には、人魚の肉を食べた女が八百才まで生きて身を隠したとの言い伝えがあります。

若狹國(福井県)有一個老頭擺个山窿,聽講有一個專門食人魚肉个細妹仔,食到八百歲囥在該裡肚。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

その女は尼さんになって諸国をまわったので、いつの頃からか八百才の尼さんという意味の、八百比丘尼(やおびくに)と呼ばれるようになりました。

細妹仔變做尼姑去各國遶尞,毋知幾時開始,八百歲个尼姑分人講做八百比丘尼。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

さて、その八百比丘尼がまだ子供の頃、近くの村の長者たちが集まって宝比べをした事がありました。

該個八百比丘尼係細人仔个時節,有一擺,屋下就近村莊个有錢人,擠歸下在該展寶比賽。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

その中に見た事もない白いひげの上品な老人が仲間入りをして、一通りみんなの宝自慢が終ると、自分の屋敷へ長者たちを招いたのです。

其中有一個毋識看過个老人家,鬚白白生著盡斯文,乜共下比賽,大家展一下過後就凑大家去佢屋下。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

浜辺には美しい小舟が用意されていて、全員が乗り込むと絹の様な白い布がまるで目隠しでもするようにみんなの上にかけられました。
盡靚个小船早就停在海脣,大家上船以後,拿像絹樣个白布仔,遮在大家个面,像幪等目珠樣,

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

そしていたとても立派なご殿でした

船仔駛到个位所係當派頭个大座屋。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

老人案内でたくさんの部屋にぎっしりとつまった宝物せてもらっている途中、一人長者台所をのぞくとまさに料理しているところだったのです

老人家招待大家去看該寶物張著堆山塞海个逐間房間。

半站仔有一儕偷看灶下,看著當當在該煮像細妹人个生物个料理。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

「なっ、何じゃ、あれは!?人間の子どもの様だが、腰から下が魚の尾びれだ」
「麼...麼个,該係?!像細人仔樣,腰骨以下像魚仔尾。」

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

驚いた長者がその事をすぐにみんなに知らせたので、後から出たごちそうには、誰一人手をつけませんでした。

分佢嚇著該个有錢人煞煞通知大自家,所以後背上个菜無人敢食,一箸又毋敢夾。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

それを見た老人は、

老人家看著就講:

「せっかく人魚の肉をごちそうしようと思ったのに、残ってしまってはもったいない」

「特別用人魚个肉煮出好食个料理,無食伸下來敢毋會打爽?」

と、長者たちが帰る時に土産として持たせたのです。

等大家轉个時節帶轉去做等路。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

りもまたあのがかけられてどこをっているかわからないままに浜辺へとたどりきました

轉个時節又幪等白布仔,還係毋知仰般行,又轉到原來該海脣。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

そして舟がどこへともなく姿を消すと、長者たちは気味の悪い人魚の肉を海に投げ捨てました。

船仔一下仔駛毋見忒,大家摎該臭臊嗙天个人魚肉擲著海竇肚去。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

ところが珍しい物が大好きな高橋(たかはし)長者だけは人魚の肉を捨てずに家に持って帰り、とりあえず戸だなの中に隠したのです。

毋過斯該愛寶貴東西个高橋,毋盼得忒帶轉屋下去。煞煞囥在菜橱肚。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

そして高橋長者には十五歳になる娘がいたのですが、この娘は長者が眠ってしまった後で、こっそりその肉を食べてしまったのでした。

高橋屋下有一個十五歲个妹仔,等高橋睡目以後偷偷摎該肉食淨淨。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

人魚の肉を食べた娘は、年頃になると色の白い美しい娘になりました。

妹仔食了人魚肉後,等佢食到十七八歲,變做皮膚白淨白淨盡靚个細阿姊仔。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

やがて結婚をして時が流れ、夫は老人になっていきましたが、どうした事か嫁は若くて美しいままなのです。

無幾久結婚了,日仔過著盡遽,老公變老伯仔了,佢毋知仰般還係恁後生、本本恁靚。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

その美しさに夫が死んだ後も求婚者は後を絶たず、とうとう三十九人もの男に嫁入りをしたのでした。

老公過身以後追求姖个人一儕過一儕毋識斷過。嫁了有三十九男仔人。

その間、夫や村人が次
と死んで行くのに、女は年を取る事も死ぬ事もないのです。

在該中間厥老公、村民一儕一儕緊死,毋過佢緊來緊多歲還係毋會死。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

は、

大家流傳講:

「年を取らんのは、人魚の肉を食べたからじゃ。あの女は人魚の肉を食べて、化け物になったのじゃ」

と、噂をしました。

「食著人魚个肉就毋會老。該個細妹仔食了人魚个肉變隻妖怪。」

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

そして誰からも相手にされなくなった女は、一人ぼっちの悲しさに尼の姿になって、諸国行脚(しょこくあんぎゃ)に出たのです。

儕儕都毋敢摎佢來往,孤孤栖栖一儕人像尼姑樣,去各國遶尞。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

そしてをしながら椿(つばき)えて

無論姖行到哪都會做好事,種白色个茶花。

八百比丘尼(やおびくに・はっぴゃくびくに)

やがて古里(ふるさと)ってくると、浜辺近くのほらのそばに白椿(しろつばき)えてそのったきりてくるはありませんでした

毋幾久轉到故鄉,海脣就近山窿脣種白茶花樹,蹶落窿肚無再過出來。

 

おしまい

煞咧

→ 八百比丘尼像

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