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8月12日の日本の昔話
大蛇になった八郎
變成大蛇个八郎
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、ある村に、八郎という体の大きな木こりがいました。
頭擺頭擺,某隻村莊,有一個安到八郎,盡高大个倒樹工人。
ある時、八郎は仕事のあとで仲間たちとくつろぐ酒のさかなにしようと、谷川で三匹のイワナを捕らえて小屋の前で焼きはじめたのです。
成時,八郎在下班後為著摎好朋友共下快樂啉酒有菜好傍,走去谷川捉三尾沙梭魚(iwana),在寮仔面前焙。
「ああ、いいにおいだ」
「唉哦,還香。」
お腹が空いていた八郎は、焼けた魚の尻尾をつまみあげると頭から丸ごと蛇(へび)のようにのみ込みました。
肚枵个八郎拈起焙好个魚尾,像蛇樣對魚頭放落嘴吞落肚。
「うまい!」
「好食!」
八郎は続いて、残っている二匹も丸のみにしました。
八郎連續摎伸著个兩尾打完吞食忒了。
すると急にのどがかわいてきたので桶の水を一気に飲み干しましたが、それでもたりません。
過後,黏時嘴燥,完桶水做一下啉淨淨,該還係毋罅。
八郎は立ちあがると川へおりていって、むちゅうで水を飲みました。
八郎企䟘起來,走落河壩肚,拚命啉水。
そしてふと気がつくと、なんと八郎は一匹の大蛇になっていたのです。
忽然間,注意著後,八郎仰會變成一尾大蛇。
自分の姿を見て、八郎は驚きました。
看著自家身影,八郎嗄嚇著。
(大蛇?おれの体は、どうなったのだ?!とにかく、隠れないと)
(大蛇?𠊎个膴身仰會變恁樣?!無論仰般,無囥起來做毋得。)
こんな姿を、仲間たちに見せることは出来ません。
這種身影做毋得分朋友看著。
八郎は長い体をずるずると引きずって、山奥へ逃げていきました。
八郎拖等長長个身體趖到深山去。
(これから、どうしたらいいのだ?これから、どこに住んだらいいのだ?)
(以後愛仰結煞哪?以後愛戴哪位好哪?)
八郎は考えた末、ふるさとの近くにある湖に住む事にしました。
經過考慮後,八郎決定戴在家鄉就近个湖該位。
けれども湖へ行ってみると、そこには南蔵坊(なんぞうぼう)という大蛇が住んでいて、八郎を湖に入れようとはしませんでした。
但係,去到湖脣一看,一尾安到南藏坊个大蛇戴住該位,並無想分八郎落湖肚。
八郎と南蔵坊は、湖のほとりで三日三晩、激しく戦いました。
八郎摎南藏坊兩尾蛇經過三日三夜激烈大戰。
南蔵坊はおそろしく強い大蛇で、負けた八郎は血だらけの体でいくつも山をこえて、やっとの思いで秋田の地へ逃れていきました。
南藏坊係一尾非常砸磳个蛇,打輸忒个八郎拖等臽身血漬漬个膴身,趖過一山又一山,最後趖到佢思念个秋田。
そしてある川辺で沼地を見つけると、八郎はそこに住む事にしました。
佢發現河壩脣个濫仔地後,八郎決定戴在該位。
何年かすぎたある年の冬、もっと大きな住みかがほしいと考えた八郎は、沼地の持ち主である長者に言いました。
過了幾下年後个冷天,想愛一隻還較大个位所來戴个八郎,摎濫仔地个有錢主人講:
「ここへ水を引き入れて、もっと大きな湖にしたいから、悪いが出て行ってくれんか?」
「這位放加兜水,分佢變做還較大个湖,失禮,你做得離開無?」
大蛇の言うことを断ったら、何をされるかわかりません。
假使拒絕蛇講个話,會變仰般無人知。
長者は舟に家族と家財道具をのせると、川辺の地から去っていきました。
有錢人摎佢屋下人、家庭生活用品放在船頂,離開河壩脣。
それからしばらくすると川から大波がうち寄せてきて、沼地はまたたくまに見渡すかぎりの湖になったのです。
過一下仔,河壩个大浪打過來,濫仔地變成一隻看毋著脣个湖。
こうして生まれたのが、秋田県にある八郎潟(はちろうがた)です。
秋田縣八王潟湖斯恁樣來个。
大蛇になった八郎は湖の主となって、今でも湖の底に住み続けていると言われています。
變做一尾大蛇个八郎做湖主,聽講湖个主人,到這下還戴在湖底。
そして川辺の沼地から八郎に追い出された長者は、その後、移った地で大いに栄えて、いくつもの蔵を持つ大長者となりました。
分八郎逐出河壩脣濫仔地該個有錢人,後來在新徙去个位所發展,成為有當多財富个大財主。
「これも、あの大蛇のおかげだ」
「這也愛感謝該尾大蛇。」
長者は湖へ行って、感謝の供え物をささげたという事です。
聽講,大財主去湖脣,獻上感謝祭品。
おしまい
煞咧
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