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8月21日の日本の昔話
お月さまが見ているよ
月光在該目金金看
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
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投稿者 「すまいるきっき」 すまいるきっき
♪音声配信(html5) |
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音声 得本綾(コトリボイス) ラジオHP |
むかしむかし、あるところに、お父さんと男の子が二人で暮らしていました。
頭擺頭擺,一個爺仔摎一個倈仔戴在某隻所在。
お母さんが亡くなったので、お父さんは一人で男の子を育てているのです。
因為阿姆過身忒了,爺仔一儕人撫養倈仔。
お父さんは男の子をとても可愛がり、山へ仕事に行く時も、町へ出かける時も、いつも男の子を連れて行きました。
爺仔非常惜這個倈仔,無論上山做事,抑係去街路總係渡等佢去。
さて、ある月夜の晩の事です。
有一隻月光華華个暗晡。
町へお使いに行っての帰り道、お父さんがふと横の園を見ると、おいしそうなカボチャが顔を出していました。
去街路買東西轉个路上,爺仔忽然間看到脣頭个園肚,有像形當好食个黃瓠樣。
お父さんはそのカボチャが食べたくなり、男の子に言いました。
爺仔非常想食黃瓠,斯摎厥倈仔講:
「おい、誰か見ている者がいたら、すぐに知らせろよ。お父さんが、今からカボチャを取ってきてやるからな」
「噯,若係發現有人在該看時節,請黏時通知𠊎,這下愛去摘黃瓠。」
「うん。わかった」
「m11,了解。」
男の子が返事をすると、お父さんは園の中に入って行きました。
倈仔應好後,爺仔就走落進園去。
するとそのとたん、男の子が言いました。
過無幾久倈仔講:
「だめ!お父さん、見ているよ」
「壞了!阿爸,有人在該看。」
「えっ!」
「e!」
お父さんはびっくりして、園の中にしゃがみ込みました。
爺仔著驚,煞煞跍下去。
でも周りには、人のいる様子がありません。
毋過周圍像無人樣。
お父さんは園から立ちあがって、男の子に言いました。
爺仔斯在園肚企起來摎倈仔講:
「何を言っているんだ? 誰も、見ていないじゃないか」
「你在該講麼个?根本無人在該看。」
すると男の子が、空を指差して言いました。
毋過倈仔指等天頂講:
「ほら、お月さまが見ているよ」
「噯,月光在該目金金看哦。」
お父さんが空を見上げると、大きな満月が二人を照らしています。
爺仔臥頭看天頂時節,看著光華華个滿月照等佢兩儕。
「そうか、なるほど。確かに、お月さまが見ているよな。・・・ありがとよ、お月さま」
「了解了,確實,月光在該目金金看哪。...承蒙你,月光。」
お父さんはカボチャを盗むのをやめると、男の子と手をつないで帰りました。
爺仔停止偷摘黃瓠,牽等倈仔个手轉屋下。
おしまい
煞咧
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