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10月8日の日本の昔話
吉四六さんの水風呂
吉四六先生个洗身盆
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
頭擺頭擺,有一個安到吉四六先生个人,非常樂線。
ある時、吉四六さんは大勢の百姓たちと一緒に米を馬に積んで、年貢を納める為に役人の所へ向かいました。
有一日,吉四六先生摎當多个農民共下摎米張到馬背囊頂,愛去官衙進貢。
この日はとても暑い日だったので、みんなへとへとです。
該日非常熱,搣到大家悿到會死。
特に馬は重い米だわらをつけているので、可哀想なほど苦しそうです。
尤其係馬,背等恁重个米袋,實在衰過。
でももう少し行くと、小さな泉があります。
過行一站仔後,就有細細个泉水。
あまり水が良くないので人は飲めませんが、馬なら大丈夫です。
水質無幾好,人做毋得食,毋過馬食還做得。
「もう少しだ、我慢しろよ」
「會到了,較忍耐兜。」
みんなはそれぞれ自分の馬をいたわりながら、山道を進みました。
逐儕恁樣一片安慰自家个馬,一片在山路緊行。
そしてやっとの事で、その泉に到着したのです。
千辛萬苦行著泉水个位所,
「さあ、飲みな」
「好去食!」
先頭の百姓が、馬を泉のそばに引き寄せましたが、
走在前頭的農民牽馬去到泉水脣頭,
「あっ!・・・なんて事だ!」
「啊!‧‧‧仰會恁樣!」
長い日照り続きだった為に泉の水が減って、もう少しの所で馬の口が水に届かないのです。
經過長期日頭曬過,泉水少忒當多,馬嘴伸過去還差一息仔,食毋著水。
「おい、誰かおけを持っていないか?」
「噯!有麼人帶水桶無?」
「・・・・・・」
「‧‧‧‧‧‧」
しかし誰も、そんな用意はしていません。
毋過無人準備該東西。
百姓たちは代わる代わる自分の馬で試してみましたが、どの馬ももう少しのところで届きません。
逐個農民牽馬去試,逐條馬嘴伸過去還差一息仔,食毋著水。
「やれやれ、これは弱った」
「唉哦,壞蹄了。」
「このまま水も飲ませずに無理をすれば、馬が倒れてしまうぞ」
「再過繼續做戇事,食毋著水,馬會橫忒。」
みんなが困っていると、吉四六さんが言いました。
大家無結無煞个時節,吉四六先生講:
「おいみんな、ちょっと待ってろ。おれがうまく馬に水を飲ませてやるから」
「大家,等一下仔,𠊎有辦法分馬好好食著水。」
そして吉四六さんは着物を脱いで、裸になりました。
吉四六先生摎衫褲脫淨淨,無著衫褲。
「吉四六さん、もしかして掘るつもりか?いくら掘っても、これ以上は水はわかないよ」
「吉四六先生,敢愛打井?你仰般挖,泉水乜毋會比這下較多。」
みんなはそう言って笑いましたが、でも吉四六さんは構わずに泉の中に飛び込んで首までつかると、向う側に身を寄せました。
大家恁樣講,笑佢,吉四六先生無插佢兜,跳落水窟肚浸到頸根後,膴身偎過對面。
「うひゃーーっ、ちょっと冷たいが、こりゃいい気持ちだ。さあ、これで水かさが増したぞ。もう何人かが手伝ってくれりゃあ、馬の口が届くはずだ」
「阿姆哀、還冷哦,毋過還鬆爽哪。恁樣有較高息仔。有加幾儕來𢯭手,馬嘴就食得著水了。」
それを聞いたみんなは、ようやく吉四六さんの考えがわかりました。
該兜農民聽著了後,慢慢瞭解吉四六先生个想法。
「なるほど!掘るんじゃなくて、飛び込んで水かさを増したのか。これは名案、さすがは吉四六さんだ。よし、わしらも手伝うぞ」
「有影哦!毋係愛挖,斯跳落去水斯會較高息仔,斯愛像吉四六先生正想得著這種計,好大家來𢯭手。」
ほかの百姓さんたちも裸になって泉に飛び込んだお陰で、馬は無事に泉の水飲む事が出来たのです。
打幫該兜農民摎衫褲脫淨淨跳落水窟肚,馬嘴順利食得著水了。
おしまい
煞咧
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