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10月14日の日本の昔話
ヒバリとお日さま
雲雀摎日頭
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、お金持ちのヒバリが、お金を貸す商売をしていました。
頭擺頭擺,有一隻當有錢个雲雀,做專門借錢分人个生理。
ある春の日の事、お日さまがヒバリにお金を貸してくれと頼みました。
某隻春天个一日,日頭摎雲雀借錢。
「ヒバリさん。すまないが、お金を十両ばかり貸してくれないか。夏には返すから」
「雲雀先生,失禮,拿十兩錢來借𠊎做得無?熱天正還你。」
「はい、いいですよ。その代わりに返すときは、十一両ですよ」
「好,做得哪。毋過到時還个時節愛還十一兩錢哦。」
「わかった。助かるよ」
「𠊎知,承蒙你幫忙。」
お日さまはヒバリから十両を借りると、喜んで帰って行きました。
日頭在雲雀該借著十兩錢,歡喜壢天。
やがて、夏になりました。
毋多知斯到熱天了。
夏はヒバリにお金を返す約束ですが、お日さまはカンカンと照っているだけで、お金を返しに来ません。
照約定、熱天斯愛摎錢還分雲雀。毋過,日頭當烈,無來還錢。
そこでヒバリはお金を返してもらおうと、お日さまのところへ飛んで行きました。
雲雀為著摎日頭討錢,飛去日頭該位。
「お日さま、もう夏ですよ。そろそろ、お金を返してくださいよ」
「日頭,熱天到了,請你摎錢還𠊎哦。」
「・・・・・・・」
「‧‧‧‧‧‧‧」
お日さまは何も答えず、強い日差しをますます強くしました。
日頭麼个都無應,緊來緊烈。
「わあ、まぶしい!それに暑い!」
「哇,恁晟眼!恁熱!」
ヒバリは目がくらんで、それ以上は近づけませんでした。
雲雀目珠花忒,無法度,再過行較兼兜。
そのうちに、涼しい秋になりました。
過無幾久就係涼爽个秋天了。
カンカンと照っていたお日さまの光も、だんだんに弱くなりました。
日頭,漸漸無恁烈了。
それでヒバリは空高く飛んで行くと、お日さまに叫びました。
雲雀在天頂飛个時節,佢喊日頭,講:
「お日さま!約束の夏は、もう終わってしまいました。早く、お金を返してください!」
「日頭!約定个熱天過忒了,錢遽兜還𠊎!」
すると、お日さまは、
日頭應講:
「ああ、また今度来てくれないか。今は忙しいんだ」
と、言って、雲(くも)に隠れてしまったのです。
「啊,下二擺做得無?這下當無閒。」
講煞,囥落烏雲裡肚。
そこでしばらくしてからヒバリがお日さまのところへ行くと、お日さまは雨雲に頼んで大雨を降らせました。
過一站仔,雲雀又去日頭該位,日頭堵堵在該求烏雲落大水。
「わあ、すごい大雨だ!」
「哇,喊盆大水!」
かわいそうにヒバリは、ずぶ濡れで帰って行きました。
衰過个雲雀涿著歸身潦潦轉去。
そんな事をしているうちに、冬になりました。
該件事情過後黏時冷天就到了。
ヒバリは何度も何度もお日さまのところへ行きましたが、そのたびにお日さまは北風や雪雲に頼んで冷たい風や大雪を降らせたりするので、お日さまに会う事は出来ませんでした。
雲雀一擺過一擺去日頭該位,該當時日頭都在該求北風、雪雲,吹冷風、落大雪,所以無法度見著日頭个面。
やがて、お正月になりました。
過無幾久就係正月過年了。
毎年ヒバリは、お正月にはたくさんのおもちを買うのですが、お日さまがお金を返してくれないので、今年はお正月のおもちを買う事が出来ません。
逐年過年雲雀會買當多甜粄,毋過今年因為日頭借錢無還,所以無法度買甜粄。
「ああ、おもちが食べたいな。
「唉哦,還想食甜粄哪。
こんなにさみしいお正月になったのは、全部お日さまのせいだ!」
過年會變恁無搭碓,全係日頭个關係!」
怒ったヒバリは春になると、お日さまに文句を言いました。
當閼个雲雀等春天个時節,去日頭該位唸唸唸唸怪怨。
「お日さま!今日こそは、お金を返してください!本当に、返してください!絶対に、返してください!」
「日頭大人!今晡日錢愛還𠊎!定著愛還𠊎!絕對愛還𠊎!」
「・・・・・・」
「‧‧‧‧‧‧。」
お日さまは知らん顔で、雲に隠れてしまいます。
詐無聽著,囥落烏雲裡肚。
「返せ!貸したお金を返せ!返せったら、返せ!」
「還𠊎!借个錢還𠊎!若係做得,還𠊎!」
お日さまは今でも、ヒバリにお金を返していません。
到今,錢還係無還雲雀。
だからヒバリは今でも春になると、高い空の上で一生懸命に叫ぶのです。
所以,雲雀到今,春天个時節在天頂盡命牯喊。
「お金を返せ!(♪ピーチュクリーチュル)お金を返せ!(♪ピーチュクリーチュル)」
と。
「錢還𠊎!(♪bi~chukuri~churu)錢還𠊎!(♪bi~chukuri~churu)」
おしまい
煞咧
※ ヒバリの鳴き声 → 野鳥辞典/鳥の動画/雲雀(ヒバリ)の鳴き声 - YouTube
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