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12月14日の日本の昔話
ネコとネズミ
貓仔摎老鼠
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
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投稿者 「ちょこもち」 ちょこもち
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
頭擺頭擺,有隻位所,有一對老阿公,老阿婆。
ある日の事、おじいさんが山の畑で草むしりをしていると、草むらに一匹の子ネコがいました。
有一日,老阿公去山頂園挷草,草竇肚走出一條貓子。
「おおっ、可哀想に。腹を空かせとるようじゃな。どれ、一緒に家に帰ろうな」
「唉哦,衰過,像形肚屎當枵樣哪,噯,共下轉來去好哪。」
山で拾った子ネコを、おじいさんとおばあさんはまるで自分の子どものように大事に育てました。
老阿公,老阿婆摎山頂拈著个貓子像自家个倈仔來惜、來畜。
ある日の事、納屋(なや→物置)の中で何やら変な音がするのに気がついたネコが、納屋へ入っていきました。
有一日,一條注意著倉庫肚有奇怪叫聲个貓子,行落倉庫。
♪それやれ、みがけやみがけ、ネズミのお宝。
♪哎呀,出力挼啊出力挼,老鼠个寶。
♪つゆのしっけをふきとばせ。
♪露水个水氣,吹燥來。
♪それやれ、みがけやみがけ、ネズミのお宝。
♪哎呀,出力挼啊出力挼,老鼠个寶。
♪みがいてみがいて、ピッカピカ。
♪挼啊挼,金晶𥍉亮。
納屋の床にある小さな穴の中から、ネズミたちの歌う声が聞こえてきます。
倉庫个地泥下有隻細空仔,傳來老鼠个歌聲。
次の日も、ネコは納屋に入ってみました。
第二日,貓仔乜落去倉庫看。
するとキョロキョロと、まわりを見回しているネズミを見つけました。
看著ziliziolo東看西看个老鼠。
ネズミは袋からこぼれた豆を、拾おうとしています。
老鼠愛摎袋仔漏出來个豆仔拈起來。
そのとたん、ネコはネズミに飛びかかっていきました。
斯在該下,貓仔躍起來捉老鼠。
「ひゃ~っ!」
「hiya~」
おどろいたネズミは、今にも泣きそうな声で言いました。
嚇著个老鼠,這下還在該用愛叫愛叫个聲講︰
「お願いです。
「拜託,
どうかわたしを、見逃して下さい。
請你放𠊎走,
わたしたちネズミは、ネズミのお宝をみがかなくてはなりません。
𠊎兜老鼠無捽金老鼠个寶做毋得。
これは、大変な仕事なのです。
這係當重要个事情。
疲れがたまったのか、お母さんが病気で倒れてしまったのです。
毋知係昶悿無,吾姆嗄發病仔了。
それでお母さんに栄養をつけさせようと、豆を探しに出て来たところです。
為著摎吾姆加兜營養,正出來尋豆仔。
お母さんが元気になったら、わたしはあなたに食べられに出てきます。
吾姆病好以後,𠊎一定出來分你食。
それまでどうか、待ってください」
請你等到該量時。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ネコは、ネズミをはなしてやりました。
貓仔就離開老鼠。
「ありがとうございます。約束は必ず守りますから」
「承蒙你,𠊎定著會守約定。」
子ネズミが穴の中へ帰ってしばらくすると、ネズミたちの前に豆がバラバラと落ちてきました。
老鼠子鑽空仔轉去以後無幾久,豆仔在老鼠面前barabara跌下來。
子ネズミが驚いて顔をあげてみると、なんとネコが一粒一粒、豆を穴から落としているのです。
老鼠子著下驚臥起頭來看,仰會貓仔會摎豆仔一粒一粒對空仔擲下來?
子ネズミは豆をお母さんに渡すと、ネコの前に出て言いました。
老鼠子摎豆仔交分哀仔後就走去貓仔該位,講︰
「ネコさん、ありがとう。
「貓仔先生,承蒙你,
これでお母さんも、元気になる事でしょう。
這下吾姆病好了,
さあ約束通り、わたしを食べて下さい」
照約定,請你摎𠊎食忒。」
しかしネコは持っていた残りの豆を子ネズミの前に置くと、そのまま納屋から出て行きました。
毋過,貓仔拿等伸个豆仔,放在老鼠子面前,斯行出倉庫。
「ありがとう。ネコさん」
「承蒙你,貓仔先生。」
ネズミの目から、涙がポロリとこぼれました。
老鼠个目珠目汁雙流。
それから何日かたった、ある日の事。
該日過後幾下日,有一日,
納屋の方から、
在倉庫傳來
♪チャリン、チャリン
と、いう音がします。
♪charin charin
聲。
納屋の戸を開けたおじいさんとおばあさんは、目を丸くしました。
倉庫門打開來看个老阿公,老阿婆,目珠擘大大粒。
「これは、どうした事じゃ?」
「這,仰會恁樣?」
なんと床の穴の中から、小判がどんどんと出てくるのです。
仰會地泥下个空仔會浡出金幣來。
そして小判のあとから子ネズミ、母ネズミ、ほかのネズミたちも出て来ました。
跈等金幣後背,老鼠子、老鼠哀仔、其他老鼠,全部走走出來。
子ネズミが小さな頭をペコリと下げると、
老鼠子煞煞低頭行禮,
「おかげさまで、お母さんの病気もすっかりよくなりました。
「好得你,吾姆个病正會好。
本当に、ありがとうございました。
實在承蒙你,
それとネズミのお宝を、無事にみがき終える事が出来ました。
摎老鼠个寶順利挼金。
お礼に少しではございますが、この小判をお受け取りください」
一滴仔意思,這兜金幣起收起來。」
と、山のように積み上げられた小判を指さしました。
手比等堆到像山恁高个金幣。
「なんと、このお宝をわしらにくれるじゃと」
「仰會拿這恁多寶分𠊎兜呢。」
それはおじいさんとおばあさんが二人で暮らしていくには、十分すぎるほどのお宝でした。
該兜錢做得分老阿公,老阿婆兩儕過日仔過到當豐湧。
こうしておじいさんとおばあさんは、いつまでも何不自由なく元気に暮らす事が出来ました。
恁樣形,老阿公,老阿婆兩儕不管哪量時都做得安然自在過日仔。
もちろんネコと一緒に、ネズミたちもとても可愛がったという事です。
當然摎貓仔共樣,老鼠乜當得人惜。
おしまい
煞咧
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