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福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 11月の江戸小話 > くせ
11月7日の小話
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くせ
あるところに、何かというと鼻をこするくせの男と、頭をポンポンとたたくくせを持つ男がいました。
ある日、この二人が相談して、
「今日から、くせをやめよう」
と、決めて、それから色々おしゃべりをはじめました。
二人とも、つい手が鼻にいくのをとめたり、頭にいく手をおさえたりしていると、一人の男が、
「なんと、この頃、弓矢をひきに行ったかい?」
と、聞きました。
すると、もう一人の男が、
「うん、行った行った。こうしてぎゅうーっと、つるをしぼって」
と、言って、弓のつるをしぼるふりをして鼻をこすりました。
もう一人の男がこれを見て、ポンポンと頭をたたき、
「それで、その矢がマトに当たれば、『ポン!』このような音が出るだろう」
なかなか、くせというものは治りませんね。
♪ちゃんちゃん
(おしまい)
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