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第 30話

すずめとりのおじいさん

すずめとりのおじいさん
山梨県の民話山梨県情報

 むかしむかし、あるところに、すずめを捕まえて売ってくらしているおじいさんがいました。
 ある日の事、おじいさんは考えました。
(一度に一羽ずつ捕まえるのはめんどうだ。よし、一度にどっさり捕まえてやろう)
 そこで竹を切って、たくさんの筒を作りました。
 竹筒の入り口に、お酒のしみこんだ米を入れておくと、それを食べたすずめはよっぱらって中へもぐり込み、そのまま寝てしまうというのです。
 さて、おじいさんは竹やぶに行って、たくさんのと竹筒をならべました。
(さて、これでよし)
 おじいさんが隠れて見ていると、あっちからもこっちからもすずめが飛んできて、竹筒の米を食べました。
 そして米にしみこんだお酒によっぱらって、ふらふらと竹筒にもぐって寝てしまいました。
(しめしめ、うまくいったぞ)
 おじいさんは竹筒の中からすずめを出しては、足をひもでしばって自分の腰に結びつけました。
 こうして腰のまわりに何百羽というすずめをぶらさげたおじいさんは、にこにこしながら竹やぶを出ました。
 ところが家に帰る途中、すっかりよいのさめたすずめが、いっせいに羽を動かしたからたまりません。
「わあ、わあ、飛んでいくー! 助けてくれー!」
 すずめたちはおじいさんをぶらさげたまま、どこまでも飛んでいきました。
 畑も森も家も、どんどん小さくなっていき、このままでは、どこへ連れていかれるかわかりません。
 そこで腰に結びつけたすずめを、一羽ずつ放すことにしました。
 すずめの数が減ると飛ぶ力も弱くなっていき、どんどん下へおりていきます。
 こうしてじいさんは、うまいぐあいにお寺の屋根の上におりました。
(ふーっ、やれやれ、助かった)
 でも、すずめをみんなはなしてしまったので、下へ降りることが出来ません。
 おじいさんはすっかり困ってしまい、屋根の上から、
「助けてくれえー! だれか助けてくれえー!」
と、叫びました。
 それを聞いた四人の小僧さんが、何事かと思って上を見ると、おじいさんが必死に手をふっています。
「大変だ。どうしよう?」
 すると一人の小僧さんが、大きなふろしきを持ってきました。
 小僧さんたちは、それぞれふろしきのすみをつかんで言いました。
「おーい、ここへ飛び降りろ!」
「しかし、そんなことを言ったって・・・」
 おじいさんは、しばらくまよっていましたが、やがて決心すると、ふろしきに向かって飛び降りました。
「来たぞ! 引っ張れ!」
 小僧さんたちは、カいっぱいふろしきを広げました。
 ひゅーーっ、どしん!
 おじいさんは見事、ふろしきのまん中へ落ちました。
 でもそのとたん、
 ゴツーーン!
 おじいさんの落ちた勢いで小僧さんたちの四つの頭がぶつかって、小僧さんたちのおでこに大きな大きなたんこぶが出来たということです。


おしまい

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