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      第 104話 
          
          
         
ヒョウの皮の屋根 
佐賀県の民話 → 佐賀県情報 
       
      ・日本語 ・日本語&中国語 
      
      
       むかしむかし、唐津(からつ→さがけん)の町に、かんねどんと呼ばれている変わり者がいました。 
         
 ある日の事、かんねどんが近くの村に出かけていくと、立派な家を建てているところにぶつかりました。 
「柱も太いし、よい家じゃ」 
「まるで、御殿(ごてん)のようだ」 
 村人たちが集まって、みんなで家をほめています。 
 かんねどんもそう思いましたが、かんねどんはへそ曲がりだったので、 
「はん。こんな家が御殿じゃと? おれの家など、ヒョウの皮で屋根をふいてあるわい」 
と、いばって言いました。 
「へえ、ヒョウの皮で屋根がふいてあるとは、豪勢(ごうせい)じゃのう。これはぜひとも、見せてもらいてえ」 
「いいとも、いいとも。ついてくるがいい」 
 かんねどんは、村人たちを家へ連れてきました。 
「これがそうだ。よく見ろ」 
 かんねどんは、たわらをかぶせただけの、とてもそまつな家を指差して言いました。 
「おいおい、これのどこがヒョウの皮だ」 
「ただのたわらではないか。バカにするな!」 
 村人たちが文句を言うと、かんねどんが言いました。 
「お前たち、米のたわらを数える時は、一俵、二俵というじゃろが。つまり俵(たわら)の皮で、屋根がふいてあるだろうが」 
「・・・・・・」 
「・・・・・・」 
 村人たちはあっけにとられて、何も言えませんでした。 
      おしまい 
         
         
         
        
 
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