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      第 112話 
          
          
         
宝の隠し場所 
兵庫県の民話 → 兵庫県情報 
       
      ・日本語 ・日本語&中国語 
      
       むかしむかしあるところに、とても気の小さいお百姓さんがいました。 
 そのお百姓さんが畑をたがやしていると、なんと、お金がぎっしりつまったつぼが出てきたのです。 
(これは、いい物を見つけたぞ) 
 お百姓さんは、大よろこびで家に持ってかえりました。 
 でも、どろぼうに見つかったら大変です。 
(さて、どこへかくそうか) 
 お百姓さんは、かくし場所をさがしてみましたが、小さな家なので、うまい隠し場所がありません。 
(そうだ。もとの場所へうめておくのが一番だ。これまでだれにも見つからなかったんだから、これからも見つからないだろう) 
 お百姓さんはつぼをかかえて畑に行くと、もとの場所にうめました。 
(よし、これで大丈夫。・・・ああでも、ここをほり返されたらどうしよう?) 
 そこで、つぼの上に、 
《ここには、宝物がありません。だから掘り返さないでください》 
と、いう、立てふだを立てました。 
(これで大丈夫) 
 お百姓さんは、安心して家に帰りました。 
 さて次の日、お百姓さんが畑へ行ってみると、宝のつぼはぬすまれたあとだったということです。 
      おしまい 
         
         
         
        
 
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