世界遺産と国宝
について


  世界遺産とは

 「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)によって、国際的に保護が必要とみとめられた自然環境や文化財の事を言います。
 2003年7月現在、129カ国にわたる自然遺産149件、文化遺産582件、両方をかねそなえた複合遺産23件、合計754件が世界遺産リストに登録されており、これらの世界遺産は、世界遺産委員会が管理する世界遺産基金によって保護され、調査費用の援助や技術援助、技術者の研修などの活動がおこなわれています。

世界遺産の種類

 世界遺産の種類には「自然遺産」「文化遺産」「文化的産業遺産」「文化的景観遺産」「複合遺産」「世界無形文化遺産」があります。


自然遺産
(1)生命進化の記録、進行中の地形形成過程、あるいは自然地理学的特徴をふくむ、地球の歴史の段階をしめす顕著な見本であること。

(2)陸地、淡水、沿岸および海洋のエコシステムおよび動植物群の進化と発展に、エコロジー上、生物学上で重要な進行過程をあらわす顕著な例であること。

(3)すばらしい自然の美しさ、または美観的にみてすぐれた自然現象をもつ地域をふくむこと。

(4)自然のままの生物の多様性を保全するうえで非常に重要な生息地であり、科学面や環境保全面からもとりわけ価値があると考えられる絶滅危惧種の生息する場所。

遺産例 ・アメリカのグランドキャニオン国立公園
      ・オーストラリアのグレートバリアリーフ
      ・日本の白神山地

文化遺産
(1)独特の芸術的成果をしめすもの。

(2)建築や都市計画、景観に大きな影響をおよぼしたもの。

(3)現存あるいは消滅した文化的伝統や文明を立証するもの。

(4)ある様式の建築物、あるいは景観のすぐれた見本となるもの。

(5)文化を代表する伝統的な集落、土地利用をしめすもの。

(6)普遍的な価値を持つ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術、文学に、直接、具体的に関連するもの(これは特別な場合にのみ用いられる基準で、他の基準と併用される)。

遺産例 ・中国の故宮(紫禁城)
      ・カンボジアのアンコール・ワット
      ・イギリスのストーンヘンジ
      ・日本の姫路城

文化的産業遺産
都市や町の発展に大きく貢献したもの。

遺産例 ・ドイツのフェルクリンゲン製鉄所

文化的景観遺産
住人がその土地の景観と特別な関係をきずいているもの。

遺産例 ・ニュージーランドのトンガリロ国立公園

複合遺産
自然遺産と文化遺産のハッキリした区別がつきにくく、双方の基準を満たしているもの。

遺産例 ・ペルーのマチュ・ピチュ

世界無形文化遺産(伝統音楽や舞踊、遊戯、神話、儀式、すぐれた手工芸技術などを対象)
(1)たぐいない価値を有する無形文化遺産が集約されているもの。

(2)歴史、芸術、民族学、社会学、人類学、言語学または文学の観点から、たぐいない価値がある民衆の伝統的な文化の表現形式であるもの。

遺産例  ・日本の能楽
       ・インドネシアのワヤン


国宝とは

  建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、考古資料、歴史資料など、日本の有形文化財のうち、文部科学大臣が重要として指定したものを重要文化財といい、その中から、とくに価値の高いものが文化審議会の答申にもとづき国宝として指定される。
  これらは文化財保護法(1950)の規定によるもので、とくに技巧がすぐれ美術的な価値が高く、歴史的にも貴重な国宝は世界文化の見地からえらばれたもので、現在の国宝数は2003年9月現在、美術・工芸関係は853件、建造物が211件の計1064件である。
  これらの国宝は、管理や修理のために国の補助をうけられる。
  ただし各種の制約があり、現状の変更には文化庁長官の許可が必要で、所有者の変更にも届出が義務づけられている。


  注意 姫路城の様に国宝であり世界遺産でもあるものは、世界遺産のページに掲載しております。

  注意 世界情勢や自然環境の変化、登録の変更等により、世界遺産や国宝の数や状態は常に変化しており、
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