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5月30日のイソップ童話
  
  
  
女主人とめしつかいの女たち
    はたらきものの未亡人が、わかい女たちをめしつかいとしてやとっていました。
    朝くらいうちに、ニワトリが時をつげると、女主人はたちまちめしつかいをたたき起こして、せっせとはたらかせるのでした。
    めしつかいは、いつもへとへとにつかれていました。
  「こんなにわたしたちがくたびれるのは、あのにくらしいニワトリのせいだわ。あれが夜のあけないうちからご主人をおこすからいけないのよ」
  と、めしつかいたちは考えて、ニワトリを殺してしまうことにしました。
    ところが、この計画を実行してニワトリを殺してしまうと、かえって前よりもひどいことになりました。
    というのは、女主人はニワトリの声で時間を知ることができなくなったために、もっとずっとはやくから、めしつかいたちをおこして、はたらかせるようになってしまったからです。
  
    この話は、よいと思ってやったことのために、かえって不幸を招くばあいがおおいことをおしえています。
おしまい