
  福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 6月のイソップ童話 > ライオンとクマとキツネ
6月22日のイソップ童話
  
  
  
ライオンとクマとキツネ
    ライオンとクマが、一ぴきの子ジカをみつけて、うばいあいのケンカをしていました。
    むちゅうになってたたかったので、しまいには両方とも目がまわり、ばったりとたおれて、うごけなくなりました。
    そこヘキツネがやってきました。
    見ると、ライオンとクマがまるで死んだようにのびていて、そのまん中に子ジカがいます。
  「ごちそうさま」
  と、キツネは子ジカをくわえて、ライオンとクマのあいだをとおりぬけていきました。
    ライオンとクマは、おきあがる力もなく、キツネを見おくりながらつぶやきました。
  「おれたちはバカだなあ。これではキツネにえものをやるために、たたかっていたようなものだ。さいしょから、はんぶんこすればよかった」
  
    ものをうばいあいするまえに、はんぶんこできないか考えてみてください。
おしまい