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7月6日のイソップ童話
  
  
  
キツネと王さまにえらばれたサル
    サルが動物たちのあつまりでおどりをおどって大かっさいをうけ、王さまにえらばれました。
    キツネはそれをねたみました。
    そして、王さまにえらばれてからいばりほうだいのサルを、こらしめてやろうと思い、ワナに肉がしかけてある場所を見つけておいてから、サルのところへいって、
  「わたくしは宝ものを見つけました。しかし、これはわたくしのものにしてはいけない、王さまのお役にたてなくてはと思い、そのまま大切にしまっておきました。どうか、王さまご自身でとりにおいで下さいませ」
  と、うやうやしくいって、サルをワナのところへ連れて行きました。
    サルはうかうかとワナに近づいて、たちまちワナにはまってしまいました。
  「よくもわしをだましたな!」
  「おいおい、バカなおサルさん。おまえはそんなにマヌケなくせに、それで動物の王さまになれると思っているのかい」
  
    これは、自分の力もわきまえないで大きな仕事をやりはじめると、ねたみもうけるし、仕事を失敗するだけでなく、とんだもの笑いになるという話です。
おしまい