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貴族
 貴族は、古代ギリシャ、ローマ時代にも存在し、国家の支配層として活動しましたが、彼らの権力基盤は、王やその側近の子孫であるという血統の優位性にありました。
 それに対して中世や近世につらなるヨーロッパの貴族は、侵入してきたゲルマン人が5世紀に西ローマ帝国をほろぼしたのち、土地保有権を基盤とする社会体制、すなわち封建制とともに誕生したものです。
 
ローマ帝国崩壊後の社会や経済の混乱の中で、征服などにより広大な土地を所有する者が登場し、彼らはやがて、所有地の一部を他の者にわけあたえ、その代わりに課税権や裁判権を行使し、役務の提供をうけるようになります。
 土地をあたえた者は主君(しゅくん)とよばれ、あたえられた者は臣下(しんか)とよばれ、有力な主君たちがその国の貴族を構成し、彼らの位階は領地の大きさによってきまります。
 
貴族身分とは大ざっぱにいって、公(こう)、侯(こう)、伯(はく)、子(し)、男(だん)などという爵位をもつ上級貴族と、騎士や盾持ちなどの下級貴族に大別されます。
 
「公」は、ゲルマン時代の軍事指導者を意味するドゥクスduxからでた言葉であり、「侯」と「伯」はカロリング時代の官職名マルキオmarchioとコメスcomesに由来し、前者はカロリング朝フランク王国の辺境地域を統治する辺境伯、後者はカロリング国王によって任命された地方管区長官。
 
「子」は、もとは伯の副官にあたる官職名であり、英語とフランス語でバロンbaronとよばれる「男」は、12世紀までは国王に直接つかえる家臣や従者を意味し、上級の貴族もこの呼称をもちいていましたが、爵位としての意味が厳密になると、下位の貴族の称号となりました。
 貴族・公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵などの階級が登場する、主な世界昔話
  
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