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        福娘童話集 >イースター たまごのお話し >鬼のたまご 
         
      たまごのお話し 第 6 話 
       
        
      鬼のたまご 
      
       
      
       
      
        夏のある日、山奥の村に住んでいる男が、初めて町に出かけました。 
 すると道に、誰かが落としたまんじゅうが転がっています。 
「何じゃ、これは?」 
 男は、それがまんじゅうだとは知りません。 
 男はまんじゅうをふところにしまって村に帰ると、庄屋さんの屋敷に出かけました。 
 この庄屋さんは、日頃から物知りじまんをしています。 
 
「庄屋さま。町で、この様な物をひろいました。これはいったい、何でございましょう?」 
 庄屋さんはまんじゅうを手にとって、しげしげながめました。 
 庄屋さんもまんじゅうを知りませんが、日頃から物知りじまんをしているので、知らないとは言えません。 
「うーむ。かたちといい、色といい、まさしくたまごであろう。何のたまごかまでは分からぬが、ワタに包んで大事に温めなさい」 
 男は言われた通りにまんじゅうをワタに包んで、なるべく暖かいところに置きました。 
 するとまんじゅうからカビが生えてきて、毛が生えているように見えました。 
「庄屋さま、あのたまごから毛が生えてまいりました。何のたまごでございましょう?」 
 男の言葉に、庄屋さんは言いました。 
「何、たまごから毛が生えてきだと? ・・・それは、鬼のたまごにちがいなかろう」 
      ♪ちゃんちゃん 
        (おしまい) 
         
         
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