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        福娘童話集 >イースター たまごのお話し >長者になりそこねた欲張り 
         
      たまごのお話し 第 4 話 
       
        
       
長者になりそこねた欲張り 
和歌山県の民話 → 和歌山県の情報 
      
       
      
        
          | ♪音声配信(html5) | 
         
        
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          | 朗読者 : エクゼムプラーロ | 
         
       
      
       むかしむかし、ある村に、とても欲張りな男がいました。 
 その欲張り男がとなりの家から、産み立てのたまごを三つもらいました。 
 欲張り男はとても喜んで、そのたまごを指でいじりながら考えました。 
 
(さあ、このたまごをヒヨコにかえして、ニワトリに育てよう。 
 するとそのニワトリが、たまごを産むだろう。 
 一羽が十個のたまごを産んだとして、あわせて三十個だ。 
 それをまたヒヨコにかえして、ニワトリに育てる。 
 そうやってどんどんニワトリを増やしたら、今度はそのたまごを町へ売りに行こう。 
 毎日毎日、荷車にたまごを山の様につんで町へ売りに行くんだ。 
 するとお金がどんどんもうかって、おれは村一番の金持ちだ。 
 うっししし。 
 さて、金持ちになったら何をしようか? 
 そうそう、まずはおいしい物をたくさん食べよう。 
 それから大きな牛を、何頭も買うんだ。 
 牛を育てるためには、たくさんの草がいるから、広い田んぼや畑も買わなくちゃな。 
 でも、一人で牛を育てたり、田んぼや畑をたがやす事は出来ないから、大勢の人をやとうとしよう。 
 それには、こんなちっぽけな家じゃ駄目だ。 
 うーんと、広い家を建てなくちゃな。 
 そうなれば、もうおれは長者さまだ) 
 
 欲張り男は、すっかり長者になった気分で、みんなをどうやって働かそうかと考えました。 
 
(まず、なまけ者は許さないぞ。 
 仕事もしないで遊んでいるやつは、こうやって首をしめて、 
『しっかり働かないと、ひねりつぶしてしまうぞ!』 
と、おどかしてやろう) 
 
 欲張り男は手に持っていた三つのたまごを、思わず握りしめました。 
 そのとたん、 
 グシャ! 
と、いう音がして、大切なたまごが割れてしまいました。 
 欲張り男は泣きそうな顔になり、 
「しまった。長者さまになりそこなった」 
と、言ったそうです。 
 
 同じ様なお話しが、イソップ童話にもあります。 
 → 乳しぼりの女 
      おしまい 
         
         
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