福娘童話集 >七夕特集 > 犬飼い七夕 
         
      たなばたのお話し 第 1 話 
       
        
      イラスト sai-sai  運営サイト sai-sai「イラスト」「コミック」 
       
犬飼い七夕
 
     
    アニメサイズ
        Max 2880×2160 字幕「日本語」「中国語」
        
         
         
        ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
        
         
        投稿者 眠れる森のくま 
      
      
       むかしむかし、あるところに、一人の犬飼いがいました。 
       犬飼いとは、狩りで使う猟犬を育てる仕事です。 
        
      
         ある
          日
        
        の
        事
        
        、
        犬飼
        
        いがお
        気に入
        
        りの
        犬
        
        を
        連
        
        れて
        池
        
        のそばを
        通
        
        ると、
        犬
        
        が
        急
        
        に
        吠
        
        え
        出
        
        したのです。 
        「こら、いったいどうした? ・・・あっ!」 
        
      
        
           見
        
        ると、
        美
        
        しい
        娘
        
        が
        池
        
        で
        水浴
        
        びをしているではありませんか。 
        
      
        「こんな
        美
        
        しい
        娘
        
        、
        今
        
        まで
        見
        
        たことがない。 
         あれはきっと、うわさに
        聞
        
        いた天女
          だな。 
        
        
           天女
        
        なら、きっとどこかに羽衣
          を
        脱
        
        いでいるはず」 
        
        
           犬飼
        
        いは、
        犬
        
        に
        命
        
        じました。 
        
      
        「
        早
        
        く、あの
        天女
        
        の
        羽衣
        
        を
        探し出
        
        せ」 
        
      
         さて、しばらくして
          天女
        
        が
        池
        
        からあがってきましたが、どうした
        事
        
        か
        大切
        
        な
        羽衣
        
        がどこにも
        見当
        
        たりません。 
        
        
           犬飼
        
        いが、
        羽衣
        
        を
        隠
        
        してしまったからです。 
        
        
           羽衣
        
        がなければ、
        天女
        
        は
        天
        
        へ
        戻
        
        れません。 
        「どうしよう・・・」 
        
        
           天女
        
        が
        困
        
        っていると、
        犬飼
        
        いが
        現
        
        れて
        言
        
        いました。 
        
      
        「お
        困
        
        りの
        様
        
        だが、どうしました?」 
        「はい、
        実
        
        は・・・」 
        
        
           天女
        
        が
        事情
        
        を
        話
        
        すと、
        犬飼
        
        いが
        言
        
        いました。 
        「それなら
        羽衣
        
        が
        見
        
        つかるまで、わしの
        家
        
        にいればいい」 
         こうなれば、
        仕方
        
        ありません。 
        
      
        
           行
        
        くところのない
        天女
        
        は、
        犬飼
        
        いの
        家
        
        に
        行
        
        きました。 
        
      
         そして、
          犬飼
        
        いのお
        嫁
        
        さんになったのです。 
         
        
        
           二人
        
        が
        仲良
        
        く
        暮
        
        らして、
        数年
        
        がたちました。 
        
      
         ところがある
          日
        
        、
        嫁
        
        になった
        天女
        
        が
        隠
        
        してあった
        羽衣
        
        を
        見
        
        つけてしまったのです。 
        「ひどい! あんまりだわ!」 
        
      
        
           天女
        
        はすぐに
        羽衣
        
        を
        身
        
        につけると、
        空高
        
        く
        舞い上
        
        がって
        行
        
        きました。 
         それに
        気
        
        づいた
        犬飼
        
        いは、 
        
      
        「
        待
        
        っておくれ! 
        行
        
        かないでおくれ!」 
        と、
        声
        
        を
        張り上
        
        げましたが、
        天女
        
        はそのまま
        空
        
        の
        向
        
        こうへ
        消
        
        えてしまいました。 
         
         お
        嫁
        
        さんの
        天女
        
        がいなくなってから、
        犬飼
        
        いは
        毎日
        
        毎日
        
        、
        天女
        
        の
        事
        
        を
        考
        
        えていました。 
        
      
        「どうすれば、
        妻
        
        を
        連
        
        れ
        戻
        
        せるだろうか? どうすれば・・・」 
         そこで
        犬飼
        
        いは、
        占い師
        
        のおばあさんのところへ
        相談
        
        に
        行
        
        きました。 
         すると
        占い師
        
        は、こう
        言
        
        いました。 
        
      
        「
        連
        
        れ
        戻
        
        す
        事
        
        は
        出来
        
        ないよ。だが、お
        前
        
        の
        方
          
          
        
        から
        訪
        
        ねて
        行
        
        けばいい」 
        「
        訪
        
        ねて
        行
        
        けと
        言
        
        っても、どうやって
        天
        
        に
        行
        
        けば
        良
        
        いのだ?」 
        「それは
        簡単
        
        さ。 
        
        
           天女
        
        の
        所
        
        へ
        行
        
        くには、
        一晩
        
        で
        百足
        
        のわらじを
        作
        
        れば
        良
        
        い。 
         その
        百足
        
        のわらじを
        土
        
        に
        埋
        
        めて、その
        上
        
        にヘチマの
        種
        
        をまいてごらん」 
        
      
         それを
          聞
        
        いた
        犬飼
        
        いは、さっそく
        家
        
        に
        帰
        
        るとわらじを
        作り始
        
        めました。 
        
        (
        
          妻
          
          
          
        
        よ、
        
          待
          
          
          
        
        っていろよ。
        
          必
          
          
          
        
        ず
        
          迎
          
          
          
        
        えに
        
          行
          
          
          
        
        くからな) 
        
        
           百足
          
          
          
        
        のわらじを
        
          作
          
          
          
        
        る
        
          事
          
          
          
        
        は、とても
        
          大変
          
          
          
        
        な
        
          事
          
          
          
        
        です。 
        
        
           犬飼
          
          
          
        
        いは
        
          休
          
          
          
        
        む
        
          事
          
          
          
        
        なく、わらじを
        
          作
          
          
          
        
        り
        
          続
          
          
          
        
      けました。 
        
      
         でも
          夜
        
        が
        明
        
        けた
        時
        
        には、
        九十九足
          
          
        
        しか
        出来上
        
        がっていませんでした。 
        「
        九十九足
        
        しかないが、
        百足
        
        とは、あまり
        変
        
        わるまい」 
         そして
        占い師
        
        の
        言葉
        
        通
        
        りに、わらじを
        土
        
        に
        埋
        
        めてヘチマの
        種
        
        をまくとどうでしょう。 
        
      
         ヘチマのつるがドンドンドンドン
          伸
        
        びて、
        今
        
        にも
        天
        
        に
        届
        
        きそうになりました。 
        「よし、お
        前
        
        も
        付
        
        いて
        来
        
        い」 
        
      
        
           犬飼
        
        いは
        犬
        
        と
        一緒
        
        に、ヘチマのつるを
        登
        
        って
        行
        
        きました。 
        「もう
        少
        
        しだ。もう
        少
        
        しで
        妻
        
        に
        会
        
        えるぞ」 
        
      
         けれど、もう
          少
        
        しで
        天
        
        に
        届
        
        くところで、ヘチマのつるは
        伸
        
        びるのを
        止
        
        めてしまったのです。 
        「
        何
        
        という
        事
        
        だ。わらじが
        一足
          
          
        
        、たりないばかりに!」 
        
      
        
           犬飼
        
        いがくやしがっていると、
        後
        
        から
        付
        
        いて
        来
        
        た
        犬
        
        が
        犬飼
        
        いの
        頭
        
        をピョンと
        飛び越
        
        えて、
        天
        
        へ
        飛び上
        
        がったのです。 
        
      
         そして
          犬
        
        は、
        犬飼
        
        いにお
        尻
        
        を
        向
        
        けると、 
        「それ、だんなさま」 
        と、
        長
        
        い
        尻尾
        
        をたらしてくれました。 
        
              「ありがたい」 
        
        
           犬飼
        
        いは
        犬
        
        の
        尻尾
        
        をつかむと、
        何
        
        とか
        天
        
        にたどり
        着
        
        きました。 
        
      
         その
          後
        
        、
        犬飼
        
        いは
        彦星
        
        に、お
        嫁
        
        さんの
        天女
        
        は
        織姫
        
        になったという
        事
        
        です。 
        
      おしまい 
         
        たなばたのおりがみをつくろう おりがみくらぶより 
            
         
         
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