福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     7月14日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
フランス革命記念日
きょうの誕生花
ブッドレア
きょうの誕生日・出来事
1944年 久米宏(キャスター)
  7月14日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
雷さまのびょうき
きょうの世界昔話
魔法のつえ
きょうの日本民話
吉崎の嫁おどし
きょうのイソップ童話
小ガラスとイヌ
きょうの江戸小話
へぼうらない
広告
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 > タヌキ屋敷

2010年 7月14日の新作昔話

タヌキ屋敷

タヌキ屋敷
兵庫県の民話兵庫県情報

 むかしむかし、播磨の国(はりまのくに→兵庫県)の逢坂山(おうさかやま)に、『タヌキ屋敷』と呼ばれる古い屋敷がありました。
 ある日、一人の侍が逢坂山にさしかかったとき、日が暮れてしまいました。
「夏とはいえ、知らない夜の山道を歩くのは危険だ。どこかに泊まるところはないものか」
 あたりを探していると、山の登り口に一軒の屋敷がありました。
「おおっ、これは助かった。ずいぶんと古いが、なかなかの屋敷ではないか」
 侍が近づいてみると、屋敷の奥の方に明かりが付いています。
 侍は屋敷の中へ入ると、大きな声で言いました。
「たのもう! わしは旅の者だが、日が暮れて困っておる。どうか今夜一晩、泊めてもらえぬか」
 すると奥から、老婆がよろよろしながら出てきました。
「まあまあ、それはお困りでしょう。こんなところでよかったら、どうぞ、泊まっていきなされ。わたしは突然の腹痛で、さっきから休んでいたところ。一人暮らしゆえ、何のおかまいも出来ませんが。・・・あいたた」
 そう言うと、老婆は腹を押さえてしゃがみこみました。
 侍は、あわてて老婆を抱き起こすと、
「さあ、これを。秘伝の薬です」
と、印籠(いんろう→薬入れ)から薬を取り出して、老婆に飲ませました。
 すると薬が効いてきたのか、しばらくして老婆は、ゆっくりと立ちあがりました。
「おかげさまで、痛みはなくなったようです。助かりました。さあ、こちらへ」
 老婆は侍を案内して、座敷につれて行きました。
「また、腹が痛くなっては申しわけないから、薬の効いている間に休ませてもらいます。どうぞ、ごゆっくり。・・・・ああ、ふとんは、そこの押し入れにありますから」
 老婆は、さっさと自分の部屋へ帰って行きました。
 侍は一人になると、ふとんをひっぱり出して横になりましたが、眠ろうとはしませんでした。
 それというのも、さっき老婆を抱えたとき、老婆の体からけもののにおいがしたからです。
(念のために、刀を抱いておこう)
 刀を抱いた侍が、布団の中で寝たふりをしていると、真夜中に、ふすまがすーっと開いて、だれか入って来たではありませんか。
 侍がそっと目を開けてみると、まくらもとにさっきの老婆が立っていて、みるみるうちにけものの姿に変わっていきます。
(やはり、化物であったか)
 侍はふとんの中で刀をにぎりなおすと、飛びかかってきた相手を切り倒しました。
「ウギャャャーーー!」
 老婆はおそろしい悲鳴を上げると、その場に倒れて死んでしまいました。
 見てみると、そこに倒れていたのは老婆ではなく、一匹の古ダヌキだったのです。
 こんな事があってから、人々はこの屋敷のことを『タヌキ屋敷』と呼ぶようになったそうです。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識