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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >四月
だんまりくらべ
沉默比赛
翻訳者:中国廣東省恵州学院 陳怡彤
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
很久很久以前,在某个地方,住着一个爷爷和一个奶奶。
ある日の事、近所の人がおもちを持って来てくれました。
有一天,住在附近的一个人拿来了年糕,说道。
「昨日な、家でもちをついたんだ。たくさんあるから、おすそわけに持って来ただ」
“昨天啊,在家里做了年糕。有很多很多,所以我就带来送给你们了”
おもちの大好きなおじいさんとおばあさんは、大喜びです。
很喜欢年糕的爷爷和奶奶,非常高兴。
おもちは全部で、七つありました。
一共有七个年糕。
「うまい、これはうまいもちだ」
“好吃,这年糕可真是好吃啊”
「本当に、おいしいおもちですねえ」
“真的耶,是很好吃的年糕呢”
一つずつ食べたので、おもちは五つになりました。
每人吃了一个,所以还有五个年糕。
「まだまだあるから、もう一つ食べよう」
“还有好多呢,再吃一个吧”
「はい。明日まで置いておくと、固くなりますからね」
“也对,放到明天的话,会变硬的”
また一つずつ食べたので、残りは三つです。
又每人吃了一个,所以还有三个。
「もう少しあるな。では後一つ食べよう」
“反正还有一些。要不再吃一个吧”
「はい。もう一ついただきましょう」
“也好。再吃一个吧”
また一つずつ食べたので、残るおもちは一つだけです。
又每人吃了一个,于是就只有一个年糕了。
一つだけ残ったおもちを見て、おじいさんが言いました。
看到只剩下一个年糕,爷爷说。
「一つだけ残しても仕方がない。ここは、だんまりくらべをして勝った方が、残りのもちを食べる事にしないか?」
只剩一个,也没有办法了。这样吧,我们来场“沉默比赛”,赢的人把剩下的年糕吃掉怎么样?”
「いいですねえ」
“好啊”
だんまりくらべとは、何もしゃべらずに頑張る競争で、先にしゃべった方が負けです。
“沉默比赛”就是什么也不说,默默努力的竞争,先说话的人就输了。
その為に、おじいさんとおばあさんはおしゃべりが出来ません。
因此,爷爷和老奶奶不能聊天。
つまらないので、二人とも早くに寝てしまいました。
因为很无聊,两个人很早就一起睡下了。
さて、その日の夜中の事、家に泥棒が入って来ました。
然后,那天半夜,有小偷来家里了。
おじいさんもおばあさんも泥棒に気づきましたが、だんまりくらべをしているので口をきくわけにはいきません。
爷爷奶奶也发现小偷了,因为在进行“沉默比赛”所以不能说话。
おじいさんとおばあさんは、泥棒が家の物を盗むのを寝たふりをしながらじっと見ていました。
老爷爷和老奶奶装作在睡觉的样子,看着小偷在偷家里的东西。
やがて泥棒は、お皿の上におもちが置いてあるのを見つけました。
不一会儿,小偷找到了放在盘子上面的年糕。
「あっ、うまそうなもちだ。こいつも頂こう」
“啊,看上去很好吃的年糕。把这个也吃了吧”
泥棒がおもちを食べようとしたその時、ついにおばあさんが大声で言いました。
当小偷正要吃年糕的时候,老奶奶终于大声地说道。
「こらっ、そのもちを食うな!」
“喂喂,不准吃那个年糕!”
「ひぇーー!」
“喝~~~!”
びっくりした泥棒は、盗んだ物を全部放り出して逃げて行きました。
被吓到的小偷把盗的东西全都扔出去逃走了。
するとおじいさんが、うれしそうに言いました。
在这时,老爷爷高兴地说。
「わはははは。ばあさんがしゃべった。この勝負は、わしの勝ちじゃ。だからこのもちは、わしが食べるぞ。もぐもぐ・・・」
“哈哈哈哈。老奶奶说话了。我赢了这场胜负。因此,我要吃掉这个年糕。‘吾吾’・・・・・”
おじいさんがおいしそうにもちを食べるのを見て、おばあさんがうらめしそうに言いました。
老奶奶羡慕地看着老爷爷吃着看起来很好吃的年糕,说道。
「あーあ、あの時にわたしが声を出さなけりゃ、そのもちは泥棒に食べられてしまったのに」
“哎呀,可是那个时候如果我不出声不行啊,不然那个年糕就会被小偷吃掉了呀”
おしまい
完
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