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福娘童話集 > 百物語 > 三月

3月4日の百物語
(3月4日的日本鬼故事)
鬼女になった、弥三郎の母

鬼女になった、弥三郎の母
媽變鬼

日本語 ・日本語&中国語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「つれづれ居士」  つれづれ居士

むかしむかし、沢根(さわね→ 新潟県佐渡市)というところに、駄栗毛左京(たくもさきょう)という名の侍がいました。
到好久以前、沢根(現新潟県佐渡市)、有這麼個喊駄栗毛左京的武士。

ある夏の事、左京(さきょう)は用事で河原田(かわはらだ)まで行ったのですが、帰りはもう夕暮れ時になっていました。
有年夏天、武士有事跑到河原田、事做完要回去已經天黑了。

馬にまたがった左京が、真野湾(まのわん)に沈んでいく太陽をながめながら、
武士就騎到馬、看到太陽慢慢往水裡面沈。

「おおっ、なんと美しいお天道さまだろう」
這就歎夕陽。

と、言ったとたん、いきなり空が曇って突風が吹きました。
突然雲幫天上一掩、就開始吹大風了。

「あやしい雲行きだ。急ぐとしよう」
波詭雲譎、加快行程了。

左京は帰りを急ぎ、諏訪神社(すわじんじゃ)の森の近くまで来た時、大きな稲光りと共にガラガラッと天地も裂ける様な雷鳴がとどろいたのです。
趕到諏訪神社林子邊上、閃光帶雷電像撕裂天地樣的轟落來。

そして、
「どすん!」
落下聲

と、何かが馬の尻に落ちてきました。
馬屁股上來條甚麼東西。

そしてそれは、いきなり後から左京に抱きついてきました。
就從後面幫武士一箍

恐ろしい力で、このままでは全身の骨が砕けてしまいます。
骨頭都要幫人絞斷了

「何者!」
那個!

左京はわずかに動く手首だけで腰の刀を抜くと、振り向きざまに斬り払いました。
能動的就只有手掌了、還是想到辦法幫刀抽出來了、這就回身一刀砍落去

すると、
「ギャー!」
叫聲

と、すさまじい声がしたかと思うと、不気味な顔をした鬼女が雲に乗って、どこかへと消えていきました。
鬼女一嘻、騎到雲也就跑了、鬼臉樣子看起來讓人好不舒服。

やがて空から雲が消えて、きれいな月が顔を見せました。
雲消了、天上出來的變成了月亮。

左京はそのまま馬を走らせて、自分の家へと帰って来ました。
繼續騎馬繼續趕路、最後就回屋啦。

「・・・うむ!?」
啊?

馬から降りた左京がふと見ると、馬の尻尾を一本の腕が掴んでいました。
武士一下馬才發現、自己馬尾巴上面抓到還有一條手。

それは針金の様な毛がびっしりと生えた、恐ろしい鬼の片腕だったのです。
手毛就跟針頭一樣的、是條駭人的鬼手。

左京はその腕を馬の尻尾から外すと、家の床の間に置きました。
武士幫手下落來、還幫他放到屋裡的陳列處顯擺。

それから数日後のある晩、左京が寝ようとしていると、
幾天後的晚上、武士打算睡覺。

♪とんとんとん
敲門聲

と、戸を叩く音がします。
這就有人敲門

「こんな夜半に、迷惑な」
怎麼都是這半夜。

左京が戸を細目に開けて外を見ると、一人の老婆が立っていました。
幫門拉開個小縫看外面、站到一個老婆婆。

「そなたは、誰ですか? こんな夜半に、何の用です?」
你是那個、要搞甚麼?

左京がたずねると、老婆が小さな声で言いました。
老婆子港。

「はい。
わたしはいつぞや、諏訪(すわ)の森の辺りで、あなたさまに片腕を斬られた者でございます。
我前幾天被你下的手
忘記啦?


今夜はあなたに、片腕を返してもらおうと、こうしてやって来たのです」
今天喊你退手來的。

それを聞いて、左近は身構えました。
聽到是這條案
武士馬上架勢了。


少しでも怪しい動きをすれば、老婆を蹴り倒すつもりです。
老婆子只要敢動一哈
就馬上幹翻她。


「それでは、そなたはあの時の鬼女」
你是那個時候的女鬼。

「いかにも、わたしは、鬼女でございます。
對頭

ですが以前は、越後(えちご)の国の弥彦在の百姓、弥三郎の母でした。
之前我屋兒弥三郎種田
我是他媽
住到弥彦在的。


それが悪念の因果で生きながら鬼女となり、人を食らう様になりました。
後面也是起了邪念從人變成活鬼、開始吃人。

越後の国だけでは物足らず、こうして佐渡の国まで荒らし回って、みんなから恐れられる様になりました。
越後人少、這就吃到佐渡、大家就都好怕。

それを先ごろ、あなたさまに片腕を落とされて、はじめておのれの犯してきた罪の深さに目覚めたのでございます。
前幾天被你手一砍、我自己腦殼也是突然清醒。

これからのち、再び罪を犯さないためにも、あの片腕を悪業の証しとして身近に置いておきたく思うのです。
那只手就是我犯罪的證明、我要幫他留到、提醒自己不要再犯。

どうか、あのみにくい片腕をお返し下さい」
還是要你幫手退起我。

老婆はそう言って、涙を流しました。
老婆子邊港邊哭

「・・・わかった」
武士也是應了

老婆が本心から悔い改めようとしているのを感じた左京は、床の間からその片腕を持って来て渡しました。
武士認為鬼是港真的、幫手也是取出來退別個了。

老婆は片手でそれを頂き、深々と頭を下げながら礼をのべると、どこかへ立ち去っていきました。
老婆子一取得手、還低頭感謝幾下、就不曉得去哪裡了。

それ以来、佐渡では、もう鬼女は二度と姿を現わさなかったそうです。
後面佐渡這地方鬼就都米出來過了。

おしまい
结束

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