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福娘童話集 > 百物語 > 三月
3月27日の百物語
(3月27日的日本鬼故事)
麒麟(キリン)
麒麟
・日本語 ・日本語&中国語
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「櫻井園子」 櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》
むかし、江戸の本郷という所に、伊勢屋吉兵衛という小間物商人がいました。
到好久以前、江戶本鄉、有個賣逸品的商人、基本上都是些女的化妝品。
若い頃の吉兵衛は重い荷物をかついであちこちに売り歩く行商人でしたが、今では立派な店をかまえており、それも息子夫婦に任せているので、とても気楽な隠居生活です。
年輕時候就背好重條箱子、東西跑、現在也有自己店面了、也交起自己兒女了、自己就安心養老。
「・・・ひまだな」
無聊啊
何もする事がない吉兵衛は、物干し台に布団をしいて昼寝を始めました。
吉兵衛覓卵事、就到陽台鋪床鋪蓋、大白天睡覺。
「ああ、良い天気だ」
今天天氣好
吉兵衛がうとうとしていると、何やら東の空から飛んで来る物があります。
吉兵衛打哈欠就要入睡了、東邊天上飛過來條甚麼東西。
「はて? 鳥にしては大きすぎるし、雲にしては動きが変だ」
覓得那麼大的鳥啊、也不像是雲啊。
吉兵衛が見ていると、飛んで来る物は近づいて来るにつれて馬の様に見えます。
等慢慢飛近、馬。
「まさか、馬が空をかけるはずが」
馬還可以飛天上啊
不思議に思って、なおもよく見ていると、それは伝説の中に出てくるキリン(麒麟→馬の体に牛の尻尾。毛は金色で頭に鹿のような角があります)にそっくりだったのです。
不對、再看、好像是傳說的麒麟、馬身牛尾金毛鹿角。
「おい! 誰か、いないか!」
快來人、快來人看啊!
吉兵衛は物干し台から声をかけましたが、みんな仕事に忙しいのか返事がありません。
吉兵衛就一直到曬衣服的地方嬉、別個都顧忙自己的、覓去管他。
キリンは吉兵衛の頭の上に来たかと思うと、ゆっくりと空を回り始めました。
麒麟飛到差不多吉兵衛頭上邊上、慢慢的到天上這裡哪裡浪。
やがてキリンは、
後面
「ケーーン!」
叫聲
と、鳥の様な鳴き声を残して舞い上がると、北西の空に向かって一直線に駆け出しました。
叫一聲、跟鳥叫差不多的、向北西過去了。
そのとたんに空がまっ赤に夕焼けて、キリンの身体が黄金色に光輝きました。
因為是到黃昏、殘陽襯托麒麟、就是一坨金光到天上飛。
(なんと、美しい・・・)
吉兵衛一直驚歎。
吉兵衛の口から、思わずため息がもれます。
又是長舒一口氣。
黄金色に光輝くキリンは、もう一度力強く鳴くと、夕焼けの中へと姿を消しました。
金麒麟又叫一哈、不見到黃昏裡面了。
やがて我に返った吉兵衛は家の外に飛び出すと、歩いている人たちに言いました。
等吉兵衛反應過來、馬上跑出去跟過路人港。
「おい! 今、キリンが空を駆けて行っただろう!」
喂、天上有麒麟、你剛剛看到把!
「キリン? いいえ」
麒麟?甚麼東西
「あんたは、見ただろう?」
你看到吧?
「・・・さあ?」
啊?
「なんだ、誰も見ていないのか!」
你們都覓人看到啊!
吉兵衛は息子のいる店へ行って、さっきの出来事を話しましたが、誰もキリンには気づかなかったそうです。
吉兵衛又跑自己店子到裡面港、那個都不怎麼在意。
それどころか息子に、
他兒還以為自己老頭
「親父は、夢でも見ていたんでしょう」
你莫不是做夢看到的
と、笑われる始末です。
當個笑話看。
しかし吉兵衛には、どうしても夢とは思えません。
吉兵衛自己硬不覺得是夢。
そこで近所の人、一人一人にキリンの事を尋ね回ってみると、ただ一人、木登りをしていた子どもが空を飛ぶ馬の様な物を見たと言ったのです。
跑到自己屋附近、一個人一個人問、終於有一個爬樹的小兒港自己看到馬一樣的東西。
「やはり、わしが見たのはキリンに間違いない」
那我看到的就是真的麒麟了。
そしてその事を知り合いの占い師に話すと、占い師はこう言いました。
後面就問認得到的風水師、這是個甚麼情況。
「それは、おめでたい。
這是好事 。
キリンとは、心がけの良い者にしか見えないと言われています。
麒麟是只有心純才看得到。
おそらく、あなたとその子どもだけが、心がけの良い人間だったのでしょう」
說明其他人心裡都烏漆麻黑的、所以就你和兩個小兒看到了。
それを聞いた吉兵衛は、とても喜んで、
吉兵衛聽港自己是個好人、笑卵卯翻天
「あれほど素晴らしい物を見られなかったとは、みんな、よほど心がけが悪いのだな」
都是一群心裡蛆卵黑的人、怪不得看不到麒麟
と、死ぬまで自慢していたそうです。
一直到死都好自豪。
おしまい
结束
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