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福娘童話集 > 百物語 > 五月
5月10日の百物語
(5月10日的日本鬼故事)
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投稿者 「りっきぃの夜話」 りっきぃの夜話
おぶさりてえ
背我
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、八幡(やはた)さまの奥の院にある高い杉の木に、化け物が住んでいました。
到好久以前、八幡大社後院裡頭長一棵衫樹、有條妖怪幫這裡當屋的。
その化け物は、毎日日暮れになると、
這就每天黃昏
「おぶさりてえー、おぶさりてえー」
背我、背我。
と、叫びながら木を降りてきて、木の下を通る人を追いかけるのです。
叫到就下樹了、追到底下過路的人到處跑。
だから夜になると、八幡さまの辺りを通る者は誰一人いませんでした。
天一黑、這地方就覓(沒)人敢來了。
ある晩の事。
晚上
三人の侍(さむらい)たちが集まって茶飲み話をしていると、一人の侍が言いました。
三條武士就喝茶扯卵談、其中一條就港。
「どうじゃ。われら三人で碁(ご)をうって、負けた者は八幡さまの化け物をおぶって来る事にしようではないか」
我們三條就下棋、輸到那條人就進宮廟背妖怪去好吧。
「うん、それは面白かろう」
好嘛
「・・・賛成」
可以
そこで三人は碁をうちはじめ、負けたのは三人の中で一番弱虫の侍でした。
下完棋、裡面最覓用的一條武士輸了。
「そんな・・・」
啊啊
弱虫の侍は、しょんぼりと家に帰ると、嫁さんに別れのあいさつをしました。
膽子小的武士好沮喪的回去了、回去就跟堂客道別。
「今日で、お前の顔も見納めじゃ。
わしはもう、生きては帰れんかもしれん。
お前、体に気をつけて暮らせよ」
今天也是看你的最後一眼了
我估計怕是回不來了。
你要保護好自己。
そう言って弱虫の侍は、八幡さまへ出かけて行きました。
聳貨武士這就上八幡大社了。
弱虫の侍は最初の鳥居(とりい)をくぐり、次に二の鳥居、三の鳥居と進んでいきましたが、体がブルブルと震えて今にも気絶してしまいそうです。
武士穿過宮廟最初的紅門、第二個、第三個、抖到抖到已經快覓得呼吸了。
それをどうにかがまんして、弱虫の侍は何とか八幡さまの拝殿(はいでん)までたどり着きました。
人就一直好死不活的一直挺到、終於是走到貢香火的地方了。
ガラン、ガラン、ガラン
鈴鐺
弱虫の侍は鈴のひもを引くと、
武士拉響大社的參拜鈴。
「どうぞ、八幡さま。
無事で、約束が果たせます様に。
無事で、化け物をおぶって帰れます様に」
八幡大神
保佑我可以完成承諾
平安回去。
と、両手を合わせて、一心におがみました。
兩手一合就開始祈禱了。
そして意を決すると、弱虫の侍は、もう死んだ気で走り出し、奥の院の杉の木の下まで来ると思いっ切りわめきました。
前置都完成了、武士這就以為自己就是去尋死、抱著這種心裡、到後院的衫樹底下就開始喊。
「やい化け物! おぶさりてえなら、さあ、このおれにおぶされい!」
喂、妖怪、我來背你了、你就快點上來。
すると杉の木の上から、ガリガリッと爪で木の幹(みき)を引っかきながら、何かが降りて来ました。
這麼到、樹上就有條甚麼用爪子扣到樹幹下落來了。
そして侍の背中に、ズッシリとおぶさったのです。
然後就往武士背上一跳。
「ひぇーー! 重い」
啊啊!怎麼這麼重啊!
化け物はとても重くて、今にも腰が折れてしまいそうでしたが、でも弱虫の侍は死に物狂いで足を踏ん張ると、何とか家までたどり着きました。
重、但是武士挺起要著壓彎的腰、用勁用勁幫妖怪背回去的。
「さあ、もう降りろ」
終於可以放落來了
弱虫の侍は玄関(げんかん)の土間(どま)で化け物を降ろそうとしましたが、化け物は弱虫の侍にしっかりとしがみついて降りようとはしません。
武士想幫到放到屋裡面大門口、但是妖怪就抱到緊緊的不打算落來。
弱虫の侍は仕方なく、茶の間にあがって、
這就進屋放客廳啦。
「さあ、ここへ降りろ」
你到這裡落來。
と、言いましたが、ここでも降りてくれません。
這麼港、但是妖怪還是不下來。
そこで今度は奥の座敷に入って、床の間の方へ背中を向けると、
這就走到最裡面的房裡面去、就背對到放擺設品的那個方位。
「それなら、ここへ降りろ」
你到這裡落來好把。
と、言うと、今度はあっさりと降りてくれました。
這次妖怪是落來了。
さあ、化け物が降りてくれたのはいいのですが、弱虫の侍にはその化け物を見る勇気がありません。
妖怪是下來了
但是武士膽子小、根本不敢回頭看。
そこでそのまま隣の部屋へ駆け込んで、ふとんを頭からかぶって一晩中震えていました。
這就衝到旁邊的房間、幫頭腦矇到鋪蓋裡面、抖一晚上到裡面。
あくる朝、嫁さんが座敷の掃除に行って、驚いた声をあげました。
第二天早上、堂客就打掃屋子、發出叫聲。
「お前さん、お前さん。大変だよ!」
喂!喂!出大事了!
朝になっても、まだふとんの中で震えていた弱虫の侍は、嫁さんに引っ張られる様に座敷に連れて行かれました。
都到白天了這武士還到鋪蓋裡面抖、堂客就拖他到昨天放妖怪的屋子。
「お前さん、何を震えながら目をつぶっているんだい。さあ、早くこれを見てごらんよ」
你到底是到閉起眼睛震甚麼、快點開眼睛看啊。
「いやだ! 化け物なんか見たくない」
我不要看到鬼
「化け物? 何を言っているんだい。さあ、早く目を開けて」
啊、鬼?不是的、你快點看。
嫁さんに言われて弱虫の侍が恐る恐る目を開けてみると、座敷の真ん中にはあったのは昨日おぶってきた化け物ではなく、大判小判の入った大きなツボだったそうです。
堂客就哄、武士這就慢慢打開眼睛了、房間正中間昨天放鬼的地方、根本就不是鬼、是一個錢壺、裡面大大小小金幣都裝滿了。
実はこの大判小判、誰かが八幡さまの杉の木の下に埋めたものですが、何十年も埋められたままだったので魂が宿り、早く誰かに持って帰ってもらおうと、毎晩「おぶさりてえー」と言っていたのでした。
實際上這一坨錢是有人專門埋到衫樹底下的、但是好幾十年都覓人來取、這錢也就成了精、每天就上樹喊別個快點幫自己帶走。
おしまい
结束
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