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福娘童話集 > 百物語 > 六月
6月24日の百物語
(6月24日的日本鬼故事)
八雲の水
八雲水
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、ある村に、与八と言う、とても親孝行な若者がいました。
到好久以前、一個村裡面、有個喊與八的孝子。
与八は毎日、年老いた両親の為に、朝から夕方まで一生懸命に働きます。
與八每日為了兩老、從早做到晚。
そんなある日の帰り道、急な雨にびしょぬれになった与八は、家に帰る途中で見慣れないわき水を見つけて、そのわき水を手の平にすくうと、ごくりと飲み干しました。
就有天歸屋、被猛來的一陣雨打溼的與八回去的路上、看到一處罕有的泉水、就掬了一手、吃完了。
「うまい。今度この水を、父や母に持って帰ろう」
這水好、跟爹媽帶點回去。
そして再び、家への道を急ぎました。
這就繼續趕路。
でもその夜に風邪をひいてしまい、与八は三日三晩苦しんだ末に死んでしまったのです。
但是淋雨晚上感了冒、三天三夜與八覓(沒)挺過去、死了。
さて、死んだ与八が目を覚ますと、多くの死人たちと一緒に暗い道をとぼとぼと歩いているところでした。
已經死的了與八這又一開眼、和好多死人一起就都走到蛆卵黑的步道上。
それから死人たちと一緒に何日も何日も休まずに歩くと、やがて大きな血の川に出ました。
和這些死人走了好多天好多夜、一直覓停過、這就來到一條血河前面來了。
「これが、三途の川か」
這就是三途河
与八は、お葬式の時に棺に入れてもらった六道銭(ろくどうせん)と呼ばれる三途の川の渡し賃の六文を取り出すと、三途の川の番人に渡して川を渡してもらいました。
與八取出了下葬時候塞到棺材裡面的六個銅板、跟床頭過了渡錢。
三途の川を渡ってさらに行くと大きな建物があり、その中で人間で最初に死んだと言われる閻魔大王(えんまだいおう)が、閻魔帳と呼ばれる人が今まで行ってきた善悪の書かれた帳面を調べて、死者の極楽行きか地獄行きかを決めていたのです。
這河一過就看到大樓房了、宇宙創生、人類裡面第一個先死的就變成了閻王、閻王有個小本本、看你是好事多還是做的壞事多、就幫你上天堂還是下地獄。
与八が順番に並んでいると、前の方にいた死人が閻魔大王に呼ばれて、前に進み出て名前を言いました。
與八就排到隊的、前面一條死人就被閻王喊話了。
すると閻魔大王が、死人に尋ねました。
閻王就問啊
「お前は、八雲の水を飲んできたか?」
八雲水你有吃過吧?
「いいえ、飲んでいません」
我覓吃過這條
死人が正直に答えると、閻魔大王は苦い顔で地獄へつながる鉄の門を開いたのです。
這死人也是老實、閻王臉一陰、就幫地獄的鐵門拉開了。
「それなら、そっちへ行け」
這就是你的路了。
その次の死人が、同じ質問に嘘をつきました。
第二個這就扯謊啦。
「はい、八雲の水を飲みました」
我吃過了。
すると閻魔大王は大きな釘抜きを机の下から取り出して、嘘をついた死人の舌を抜き取って言いました。
閻王這就從桌子裡面翻出來條專門扯釘子的、閻王面前港謊話是要被扯舌頭的、死人舌頭這就著扯了。
「嘘をつくような奴は、地獄行きだ!」
騙我就下地獄!
さて、次はいよいよ与八の番です。
這就到與八啦。
閻魔大王が、与八に尋ねました。
閻王就問啦
「お前は、八雲の水を飲んできたか?」
八雲水吃了吧?
八雲の水と言われても、何の事かわかりません。
八雲水到底是條甚麼東西、與八都不曉得。
与八はどう言えばよいかと悩みましたが、嘘をついても舌を抜かれて地獄行きなので、
自己也不曉得怎麼港、萬一騙閻王、又要被扯舌頭下地獄。
「いいえ。その様な物は、飲んで・・・」
我喝是覓喝、好像、應該是、覓
と、言いかけて、ふと、あの湧水の事を思い出しました。
準備港出口了、想起泉水的事。
(もしかすると、あの湧水が、八雲の水なのだろうか?)
那個泉水莫心(難不成)就是八雲水哦?
そこで与八は、思い切って言いました。
與八就港了。
「はい、飲んできました」
吃了。
それを聞いた閻魔大王は、満面の笑みを浮かべて、
閻王聽了就笑。
「よし、お前はこっちへ来い」
你到這邊來。
と、地獄とは別の方角へ案内してくれたのです。
就往與八往和地獄不同的其他地方帶。
そこはとても明るく暖かで、良い香りの蓮(はす)の白い花が一面に咲く池がありました。
哪裡光亮暖和、荷花就到水面上一片浮到的。
こここそが、極楽なのです。
這就是西方極樂世界。
極楽には心優しい人が大勢いて、与八はいつまでも極楽で幸せに暮らしたという事です。
天堂裡面都是好人、與八就一直到裡面過好日子享福了。
八雲の水と言うのは、この極楽の蓮の花が咲く池の水が地上に流れ出たもので、極楽へ行く事が出来る善人は知らず知らずのうちに、この八雲の水を口にすると言われています。
八雲水就是這極樂世界的蓮池裡面流向人間世界的水、要是一直行善之人、就會到不知不覺之間幫這水吃到嘴巴裡面、這麼一個港法。
おしまい
结束
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