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福娘童話集 > 百物語 > 十一月

11月1日の百物語
(11月1日的日本鬼故事)
ねこまた屋敷

猫又屋敷(ねこまたやしき)
妖貓宅

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読者 ; 創作活動のサイト 『Web団 零点』

むかしむかし、ある屋敷に、とてもネコの好きな女中さんがいました。
到好久以前、有條屋子的婢女好喜歡貓。

この女中さんが可哀想な捨てネコを拾ってきて飼い始めたのですが、この屋敷のおかみさんはネコが大嫌いで、ネコがそばに来ただけでも殴ったり、蹴飛ばしたりします。
這婢女就撿別個甩丟的貓兒開始養、但是屋裡面的女主人對貓好討嫌、貓到旁邊來一次就打一次、還用踋膼它走。

「どうして、ネコなんか飼うんだい! 早く追い出しておしまい!」
你為甚麼要到屋裡養貓啦!快點幫貓搞走起來!

ところが、おかみさんにいくら言われても、女中さんはネコを捨てようとはしません。
但是女主人不管怎麼講、婢女這貓就是不甩丟。

そこでとうとう、腹を立てたおかみさんが言いました。
最後女主人受不了也就發火了

「ネコを捨てないのなら、お前には出て行ってもらうよ!」
你要是再不幫貓甩丟起來、我就不要你到這裡做事了!

女中さんは、どうすればよいのか、すっかり困ってしまいました。
婢女這一哈也是㫘得辦法了。

するとどうした事か、ネコが急に姿を消したのです。
但是也不曉得是個甚麼原因、貓一哈就突然不見了。

「やれやれ、これでさっぱりしたよ」
好傢伙好傢伙、屋裡這一哈乾淨了。

おかみさんは喜びましたが、女中さんはさびしくてなりません。
女主人笑得就好開心、但是婢女就高興不起來。

毎日毎日、ネコの事を思って泣き暮らしていました。
每天就想到自己的那條貓、還留眼睛水。

ある日、旅のお坊さんがやって来て、女中さんにたずねました。
有天來了條雲遊和尚、就問婢女。

「どうした? えらく元気がないように見えるが」
怎麼不看你開心啊

そこで女中さんが、可愛がっていたネコの事を話しますと、
婢女這就幫貓的事講出去了。

「そうか、あのネコを可愛がっていたのは、お前さんだったのか。よいよい、心配するな。そのネコなら、この山奥にいるから安心するがよい」
這樣子啊、那條貓是你原先到顧啊、貓㫘事的、他現在就到山裡面住。

と、なぐさめてくれたのです。
和尚也是講好話安慰婢女。

女中さんはそれを聞くと、どうしてもネコに会いたくなりました。
婢女曉得了貓現在住到山裡面、巴不得自己現在就去看貓。

それで一日だけひまをもらって、お坊さんの言っていた山へ出かけました。
這就請得一天假、去和尚講的那條山上去了。

だけど広い山の中、ネコがどこにいるのかさっぱりわかりません。
但是山這麼大、貓到哪裡根本就不曉得。

あちらこちらと探しているうちに、すっかり日が暮れてしまいました。
這邊那邊邏、最後天都黑起來了。

ちょうどそこへ、木こりが通りかかったので、
剛好前面就一條砍樹的到。

「すみませんが、この辺りに泊まれるような小屋はありませんか?」
就問師傅這邊有甚麼小木屋子吧。

と、たずねますと、
詢問。

「それなら、この道をもう少しのぼって行くがよい」
就從這條路稍微上去點。

と、教えてくれました。
這麼交待了

教えられた通りに進んでいくと、あかりが見えて大きな屋敷に出ました。
婢女就跟到交待的走、這就幫條大屋子看到了、裡面的燈亮到的。

「どうして、こんな山の中に屋敷があるのだろう?」
為甚麼這大山裡面有這麼條屋子啦。

女中さんが不思議に思ってながめていると、中から美しい女が出てきました。
婢女還到想、這裡面一條長的好乖的女的就出來了

女中さんは、頭を下げて言いました。
婢女就幫頭彀落來好甚講。

「わたしは可愛がっていたネコに会いたくてやって来ましたが、日が暮れて困っています。どうか今夜一晩泊めてください」
講自己來山上邏小貓、但是㫘邏到、現在天都黑了、可以留一晚上落來吧。

すると美しい女は、みるみる恐ろしい顔になって、
這乖女的臉看到看到就惡起來了。

「フギャー! お前も、食い殺されたいのか!?」
と、言ったのです。
我看你是想被我咬死起來!?
嗚哇!


「きゃあー!」
被驚嚇聲

女中さんがびっくりして逃げ出そうとすると、中からおばあさんが出て来て言いました。
婢女著駭了一跳、這就準備飛奔了、裡面這就出來條老婆婆講話了。

「すみません、娘がおかしな事を言って。さあ遠慮なく、ここへ泊まっていってくださいな」
老婆子自己就帶乖女的道歉、講自己女不會講話、這就讓婢女進屋、安心留落來。

おばあさんは女中さんを抱きかかえるようにして、屋敷の中へ入れました。
婆子就抱起婢女進屋了。

でも女中さんは気味が悪くて、体の震えが止まりません。
但是婢女㥬的厲害、自己覺得這事好恐怖。

「おやおや、そんなに心配しなくても大丈夫。安心して、休んでいくがいいよ」
你就不要怕啦、好甚到這裡睡一覺就是啦。

おばあさんは女中さんに、温かいご飯を食べさせて布団をしいてくれました。
婆子又是讓婢女吃飯、又是幫婢女鋪床。

ところが、その晩の事。
但是這到了晚上。

女中さんが夜中にふと目を覚ますと、隣の部屋で何やら話し声がするのです。
婢女晚上突然眼一開、就聽到這隔壁的講話聲音了。

(あの二人は、もしかして人食い鬼かも)
婢女就擔心這屋婆女二人其實吃人。

女中さんは起きあがって、そっと、しょうじを開けてみました。
婢女偷偷爬起來、輕輕幫紙門拉開一點點。

しかしそこには美しい女が二人、すやすやとねむっているだけです。
但是就看到二條乖女的睡沈到那裡的。

「おかしいな。確かに、話し声がしたのだけれど」
婢女覺得怪、確實自己聽到講話的聲音了啊。

女中さんは思い切って、その次の部屋も開けてみました。
這就乾脆又開了一扇紙門。

するとそこにも、美しい女が二人ねむっていました。
這邊也是同樣睡到二條乖女的。

(気のせいかしら?)
心裡作用?

自分の部屋に戻ってしばらくすると、また話し声が聞こえて来ました。
但是一回自己睡覺的地方、這講話聲音是又出來了。

じっと耳をすませてみると、どうやらおばあさんが、あの娘に言い聞かせているようです。
婢女就處起耳朵好甚聽、好像是老婆子到交待剛剛的乖女的甚麼事。

「あの女中はネコに会いに来た、やさしい女じゃ。だから決して、噛みついたりしてはいけないよ」
剛剛的婢女是來邏自己的貓的、別個是條好人、所有千萬不要幫別個豺(撕咬)了啦。

それを聞くと、女中さんは思わず立ちあがりました。
聽到這條聲音、婢女是馬上站起來。

(ここは、化けネコ屋敷だわ。このままでは、今に食い殺されてしまう!)
稀爛!這裡是貓妖屋、我再等一哈就要著吃了。

女中さんはあわてて荷物をまとめると、こっそり部屋を抜け出そうとしました。
婢女就打包了行李、準備快跑。

するとそこへ、一匹のネコが入って来ました。
這時一條貓就進來了。

ふと顔を見ると、女中さんが可愛がっていたネコです。
這一看就是自己當初不見那條貓。

「まあ、お前!」
我邏到你啦!

女中さんは怖いのも忘れて、ネコに呼びかけました。
婢女看到貓自己也忘記怕了。

するとネコは、人間の声で言いました。
這時貓就幫人話講了。

「ご主人さま。よくたずねてくださいました。
也是講自己主人竟然是過來這裡看自己了。

でも、もうわたしはあの屋敷へ戻る事は出来ません。
但是自己現在不能被帶走。

すっかり年を取ってしまったので、仲間と一緒にここで暮らす事にします」
自己已經是條老貓了、現在就只想到這裡和這些貓們一起、幫剩下的日子過完。

「そんな事を言わないで、戻っておくれ。
但是婢女還是想要貓能跟自己回去。

お前がいないと、わたしはさびしくてたまらないのよ。
講自己㫘得貓一個人好孤單。

あの屋敷が駄目なら、ほかの屋敷で一緒に暮らしてもいいわ」
要是原來的屋子不行、那就再換一間。

「ありがとう。
貓表示了感激

あなたのご恩は、決して忘れません。
就講大恩不忘

でも、ここへ来るのはネコの出世なのです。
但是又講、這地方其實好啊、可以到這裡來都是有本事的貓。

ここは、日本中から選ばれたネコがやってくる『猫又屋敷』です。
這個雙尾貓屋裡面住到的都是妖貓怪貓

ここにいるみんなは人間にいじめられたネコですから、あなたに何をするかわかりません。
但是這些貓都有被人過欺負過、所以你要小心。

さあ、今のうちに、これを振りながら逃げてください」
這就喊婢女趁到現在快跑。

そう言ってネコは、白い紙包みをくれました。
就又跟婢女過了一封白紙。

「・・・わかったわ。では、お前も元気でね」
婢女也喊貓自己以後好甚到。

女中さんが屋敷の外へ出ると、何千匹というネコが、うなり声を上げながら集まって来ました。
婢女幫屋子一出、幾千條貓就幫門口一圍、壓起條聲音到低吼。

女中さんが白い紙包みを振ると、ネコたちはいっせいに道を開けてくれました。
婢女就讓這些貓看白紙封、群貓這就一哈讓道了。

おかげで女中さんは、無事に山をおりる事が出来ました。
這麼到、婢女也是㫘事的幫山下了。

さて、家に帰って紙包みを開いてみると、内側には犬の絵がかいてあり、不思議な事にその犬は本物の小判を十枚もくわえていたのです。
到屋拆開白紙封、裡面是一副犬繪、狗嘴巴裡面叼到是一些金銀財寶、這些個財寶還是真的。

「まあ、そんな大金どうしたの?」
這麼多金子是從哪裡來的哦?

おかみさんが、驚いてたずねました。
女主人一看、好驚訝。

そこで女中さんは、ネコに会って来た事を詳しく話しました。
婢女這就講出來事情原委。

「へえーっ、それじゃ、わたしも山へ行って来るよ。女中のお前が小判十枚なら、その主人のわたしは百枚はもらえるだろうからね」
唉、還有這種好事啊、那我也要上山去、下人都有十塊金貝、我這主人一起肯定得過金貝一百。

次の日、おかみさんは女中さんが止めるのも聞かずに、山をのぼっていきました。
第二天婢女一直勸到女主人千萬莫到山上去、但是女主人不聽、這就爬山去了。

やがて女中さんの言った通り、大きな屋敷の前に出ました。
果然婢女㫘騙人、那麼一條大屋子起到的。

「もしもし、わたしは、可愛がっていたネコに会いに来ました。今夜一晩泊めてください」
女主人也講要來邏自己的愛貓、想留宿一個晚上。

大声で呼ぶと、中から美しい女が出て来ました。
這就大聲唏、裡面的美女就出來了。

女はじろりとおかみさんを見て、すぐ屋敷の中に引っ込みます。
乖女的看了女主人一眼也就讓別個進屋了。

そして間もなく、おばあさんが出て来ました。
㫘得好久、老婆子也就來了。

おばあさんは女中さんと同じ様に、おかみさんに温かいご飯を食べさせてくれて、布団までしいてくれました。
這就同樣的待遇、又是溫飯、又是鋪床。

さて、真夜中の事。
這夜就深了。

おかみさんは話し声もしないのに、隣の部屋のしょうじを開けました。
女主人㫘等聽到講話聲、這就幫旁邊的紙門拉開了。

するとそこには大きなネコが二匹いて、じっとこちらをにらんでいるのです。
這就看到二條大貓對到自己惡起一副臉認到的。

「うひゃーっ!」
啊啊!

おかみさんはあわてて、次の部屋のしょうじを開けました。
女主人這就又開另外一個紙門。

するとそこにも大きなネコが二匹いて、じろりとおかみさんをにらみつけます。
這次又是現(重複)案子

目がらんらんと光って、今にも食いつきそうです。
貓眼裡面冒寒光、就是一副要吃人的樣子。

もう、小判どころではありません。
這個時候金貝甚麼的已經想都不敢想了。

おかみさんは逃げ出そうとしましたが、腰が抜けて動けません。
女主人想跑、著這些個貓駭到一直㥬、動都動不了一哈。

「あわ、あわ、あわ……」
啊啊啊啊

おかみさんが震えていると、そこへ自分の屋敷にいたネコが入って来ました。
女主人這就一直㥬到的、原先婢女養到自己屋子裡面的那條貓這就過來了。

「おっ、お前、会いたかったよ。さあ、一緒に帰ろう」
女主人就㥬到講、終於幫你邏到了、來、和我一起回去吧。

おかみさんは必死になって、ネコに話しかけました。
女主人就努力的跟這條貓搭話啊。

そのとたん、ネコは、
就這時。

「しらじらしい事を言うな! よくも長い間、いじめてくれたな!」
回去之後又繼續被你打是吧!我著你整的還不夠是把!

と、言うなり、おかみさんに飛びかかって、のどぶえに噛みつきました。
這對到女主人就是一撲、對到顜頚就是一口。

「ぎゃあーー!」
啊啊!

のどを噛み切られたおかみさんは、血まみれになって死んでしまったそうです。
女主人這就顜頚著扯了個稀爛、死到那裡的。

おしまい
结束

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