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      12月6日の百物語 
         (12月6日的日本鬼故事) 
          
         
歌よみ幽霊 
鬼願 
 
・日本語 ・日本語&中国語 
      
      むかしむかし、あるところに、立派な空家がありました。 
        到好久以前有條屋好氣派、但是㫘人住。 
         
      「空家のままでは、もったいない」 
        就這麼空到好可惜哦。 
         
      大家さんが空き家に《貸し家(かしや)》の札をはると、すぐに借り手が見つかりました。 
      房東就幫租房子的條子一巴(貼)、這房客就跟到來了。 
       
      ところが二、三日すると、借りた人は逃げる様に出て行ってしまいました。 
      但是這就才住了個幾天、人過跑了。 
       
      「これでまた、空家か」 
      又㫘人啦。 
       
      大家さんが再び《貸し家》の札をはると、今度もすぐに借り手が見つかりました。 
      房東這次又巴條子、跟到又是一條房客過來了。 
       
      しかしまた二、三日もすると、逃げる様に出て行ったのです。 
      這次又是過住二三天不曉得人到哪裡去了。 
       
      こうした事が、何度も繰り返されます。 
      這就反反復復出同樣的現事。 
       
      「いったい、どうしたわけだろう?」 
      甚麼鬼?房東這也懵了。 
       
      大家さんが首をひねっていると、通りかかった人が教えてくれました。 
      後面還是過路的跟房東講過才曉得。 
       
      「大家さんのくせに、事情を知らないのかい。あの空家には、幽霊が出るとのうわさだよ」 
      你屋有鬼啊、你是房東都不曉得啊、別個都著鬼駭跑完了。 
       
      どうやらこのうわさは町中に広がっており、知らないのは大家さんだけのようです。 
      更奇的是這鬼事早就傳遍整條街了、唯獨房東一個還不曉得。 
       
      「うわさのせいで、借り手が来なくなったな。いっその事、家を取り潰そうか?」 
      但是房東也只是覺得是謠言傳的狠的原因導致、並不是自己屋真的有鬼、但是現在這房子也㫘人住了、乾脆廢了它算啦。 
       
      大家さんがそう考えていると、怖い物知らずで有名な男がやって来て言いました。 
      這就正打算的時候、來了條不怕事的猛男。 
       
      「面白い。おれが幽霊を見届けてやろう」 
      聽房東講也還有味、就講自己去幫鬼探明起來。 
       
      その夜、男が空家のいろりのふちで幽霊が現れるのを待っていると、家の奥の方からミシッ、ミシッと、怪しげな音を立てながら、長い髪を乱した女の幽霊が現れました。 
      晚上男的就到爐火邊上等到鬼出來的、這屋裡一陣怪震、真有條頭髮好亂的女鬼出來了。 
       
      幽霊は男に見向きもしないで、男と向かい合う様にいろりのふちに座りました。 
      鬼和男的並㫘得直接的眼神接觸、就直接當㫘看到樣的坐到男的正對面了。 
       
      (なんだこの幽霊、おれを無視するのか?) 
        這鬼瞭都不瞭我啊? 
         
      男がじっと幽霊を見ていると、幽霊はいろりの灰をかきまぜながら、 
      男的就對到女鬼一直認到的、這女鬼就開始刨火塘裡面的灰。 
       
      ♪かきまぜる灰は 
      ♪はまべのいろににて 
      灰燼 
        沙灘的攪拌色 
         
      と、言って、しくしくと泣き出しました。 
        這就唱的不曉得是條甚麼、就開始哭了。 
         
      それを何度も繰り返すので、男は、 
      這事就一直重複、男的就 
       
      (これはきっと、歌の後ろ半分が出来ない為に、成仏出来ないのだろう) 
      突然奇想 
        認為這是完整的一首歌、只是幽靈不曉得下一句要怎麼唱、所以才哭。 
         
      と、考えて、幽霊がまた、 
      這就又開始了。 
      ♪かきまぜる灰は 
        ♪はまべのいろににて 
        灰燼 
        沙灘的攪拌色 
         
      と、言った時に、すかさず、 
      看到女鬼唱了。 
       
      ♪ゆるりが海か ※ 
      ♪おきのみゆるに ※ 
      海 
        你我相逢時 
         
      と、歌の後ろ半分を、読んでやりました。 
        這就幫下句接了。 
         
      すると幽霊は初めて男の方を見て、ニッコリ微笑みました。 
      女鬼對到男的就是抬頭一笑。 
       
      「良い歌が出来て、心残りがなくなりました。これで成仏できます。ありがとうございました」 
      講自己㫘得遺憾了、對到男的感謝。 
       
      幽霊はお礼を言って、すーっと消えました。 
      這話交待完、唰一哈不見了。 
       
      その後、この空家に幽霊は二度と現れなかったそうです。 
      這後面就都㫘看到再出來過了。 
      おしまい 
      结束 
      ※ゆるりは、いろりの事。 
        ※おきは、海のおきと、いろりのおき火をひっかけた言葉です。 
         
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