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福娘童話集 > 百物語 > 十二月
12月14日の百物語
(12月14日的日本鬼故事)
ヘビ酒を飲まされた侍
蛇酒
・日本語 ・日本語&中国語
むかし、伊原新三郎(いはらしんざぶろう)いう侍が、徳川の時代になって仕事を失い、あてもなくブラプラと旅をしていました。
到好久以前有這麼條喊伊原新三郎的武士、到德川掌權時過變成浪人了、這就不曉得去哪裡了、每天都是混。
ある夏の事、新三郎は三河(みかわ→愛知県)の三方が原(みかたがはら)というところへ足をのばしました。
這夏天、新三郎這就去了三河(愛知縣)的三方原。
そこは武田信玄(たけだしんげん)の軍と織田信長(おだのぶなが)の軍とが戦った、有名な古戦場(こせんじょう)です。
這是條遺蹟、以前信長和信玄到這裡打過杖。
ふと前を見ると、林の向こうに茶店がありました。
往林子前面看還有條喝茶的店子開到的。
「茶店とは、ありがたい。ちと、休んでいくか」
新三郎看到也是想過去休息哈。
新三郎が林をくぐって茶店に行くと、十四、五歳の可愛らしい娘が出てきて言いました。
新三郎過了林到了地、端茶的還是條十四五歲的小女兒。
「おいでなさいまし。ここはお武家さまが、いつも立ち寄っていかれるお店でございますよ」
先是客套了哈、這就講像你這樣的子的武士、都會經常到這裡來看。
新三郎がお店に入って腰を下ろすと、娘がもちを出してくれました。
新三郎進店子坐了落來、女就端出來塊粑粑。
「さぞ、お疲れでございましょうね。これを、お召し上がりになって」
就喊武士慢用了。
「うむ、うまそうなもちだ。だが、もちは一つでよい。酒はないか」
武士就問還有酒吧。
「あら、気がつきませんでした。お酒なら良い物がございます。少しお待ちを」
女這就又去端酒了。
娘はそう言うと、少し待たせてからお酒を持ってきました。
這就一哈、酒也過來了。
「・・・うまい!」
這酒一口落去勁就好大
三郎直呼好酒。
そのお酒は、腹にしみわたる様な名酒でした。
這酒一口落去人就直接上天了。
しかも娘がなれた手つきでおしゃくをしてくれるので、新三郎は三本も、とっくりを空にしました。
女就到邊上幫三郎斟酒、這就三壺酒空了。
(よく気が利くし、器量も良い。なかなかの娘じゃ。しかし・・・)
三郎這就覺得這女懂得會意又聰明、但是又想。
新三郎の心に、何かが引っかかります。
三郎是注意到了甚麼。
新三郎は少し酔いながらも、注意深く辺りを観察しました。
雖然醉到的、但是一直留心到的。
(店の者は、この娘だけか? しかもわし以外に、客がおらぬ。そしてこの酒は、茶店が出す酒にしてはうますぎる)
就想這店子就這女一個人到啊、而且客人也就我一條、特別是這酒、根本就不是一條普通喝茶的地方可以提出來的。
「娘よ、もう一本頼む」
這就又喊了一壺。
「かしこまりました。ただいま、すぐに」
女這就去端了。
娘が奥にお酒を取りに行った時、侍はそっとついて行って台所をのぞきました。
女去取酒的時候、武士就偷偷跟到後面步了二踋。
(・・・なんと!)
啊!
新三郎は、思わず息を飲みました。
三郎人一哈著骸得不作聲了。
台所には大きなヘビが天井からつるしてあって、娘が刀でそのヘビの腹を刺して、トクトクと流れる血を手おけに受けていたのです。
灶台上面一條大蛇吊到的、女就取條刀幫蛇肚子一據、蛇的血這就達達達的滴、女就用手捧到的。
そして娘がヘビの血の中へ何かの粉を入れると、血の赤い色が消えて、お酒の良い香りがプーンと漂ってきました。
這就幫血裡面加了條甚麼粉粉這血色就一哈消了、酒香一哈就漂出來了。
(あの酒は、ヘビの血で作っていたのか?!)
那酒是蛇血做的啊!?
新三郎は身の毛がよだつ思いで、店の外へと飛び出して走りました。
三郎寒毛一豎、這就開始飛奔。
それに気づいた娘が、逃げる侍に声を掛けました。
女也注意到了、這就馬上喚啊。
「お武家さま、お待ちになって。
就講人不要走。
・・・今さら、お逃げになるとは。
不能這個時候走
・・・待て、待て、お待ちなされ!
讓別個等哈自己
・・・待たんか!」
喊你莫動啊!
あの娘が、追いかけてきました。
女這就開始追了。
いえ、そればかりではありません。
但這好甚一看。
娘の後ろの方からも、三人の男たちが追いかけてきます。
女後面也出現了三個男的一起開始追了。
「せっかくのえものを、取り逃がすなよ!」
已經到嘴巴裡面的肉、你還想跑啊!
「あいつめを取り逃がしたら、明日は、わしらにわざわいがおこるぞ」
讓那批兒跑了、明天噶卵的就是我們了。
「おう、逃がしてたまるか」
跟爹站到莫動啊!
新三郎は無我夢中で走って、やっと町はずれの民家にたどり着きました。
三郎是奔的飛快、這就看到街邊界上面的屋了。
「どうなされました、お侍さま」
跑這麼急是出了甚麼事哦。
新三郎が主人にわけを話すと、主人は不思議そうに首をかしげました。
三郎就跟主人講自己到林子裡面碰到的鬼事。
「はて? あの林の辺りには、茶店どころか家一軒ございませんよ。
啊?我記得那條地方㫘開得有甚麼店子啊。
失礼ですが、タヌキかキツネに化かされたのでは?
莫興是著狸子甚麼的日弄的哦。
・・・まあ、とにかく、ご無事でなによりでした」
反正你現在人㫘事啦、那不就可以了。
「まさか? ・・・いや、迷惑をかけたな」
狸子?好吧。
新三郎は泊まっていた宿(やど)屋へ戻りましたが、あれはどう考えてもタヌキやキツネの仕業とは思えませんでした。
三郎回到落踋的旅店、今天的事怎麼想都不覺得是狸子還有狐狸甚麼的啊。
あくる日、新三郎は近くの男たちを集めて、昨日お酒を飲んだ茶店を探しました。
天亮、三郎就喊到一潽人、去邏昨天的地方了。
しかし、その辺りには家一軒なく、草がしげっているばかりで人の足跡さえないのでした。
但是到了地方、莫講茶館了、地上的草是生滿了、連條踋板印都看不到。
ただ、草の中に手足の少しちぎれた、大きめの這子(ほうこ)が一つ捨てられていました。
但這草堆裡面看到個手踋有點殘到的天童娃娃甩裡面的。
這子とは、はいはいをする幼児をかたどった、むかしの人形です。
這娃娃就是仿造一條剛出生㫘好久才會爬的小孩樣子作成的。
「これが、あの娘に化けたのか? そう言えば、どことなく似ているな」
這違就是昨天的小女兒啊、不過還真是有點像。
新三郎がつぶやくと、他の男たちが大蛇の死体を見つけました。
三郎這就看到這天童、其他人又幫條大蛇看到了。
その大蛇は長さが四、五メートル、色は黒く、お腹が切り裂かれていました。
是條黑蛇、有條差不多四五米、肚子著刀子劃開了。
また少し離れたところには、人のガイコツが三体横たわっているのでした。
離蛇的屍體㫘得好遠又是三具屍骸橫到的。
(うむ、このガイコツたちが這子を使って、ヘビ酒を客に飲ませていたのか?)
武士就想違是這死人骨頭用天童讓客人吃蛇酒啊?
このままほうっておいては、なんのたたりがあるか知れませんので、新三郎は大蛇の死体もガイコツも形を残さない様に打ち砕いたうえ、たきぎをつんで這子と一緒に焼かせました。
這事實在太邪、㫘點脈絡、三郎怕這事後面又出甚麼變數、幫蛇還有骨頭全部是打成渣渣、變成粉粉、再用火帶天童一起幫他們全又化成灰燼了。
そして焼け残った灰を、堀の底へ沈めました。
這又幫這些渣渣放到護城河裡面一沈。
ところで伊原新三郎は病気がちでしたが、ヘビ酒を飲まされてから不思議なほど元気になったそうです。
但這事還反過來了、本來三郎一條帶病的殘軀、著那二口蛇酒一吃這人過好起來了。
おしまい
结束
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