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福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 6月の江戸小話 > あんまの腹いせ
6月3日の小話
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あんまの腹いせ
大家のだんなが、あんまさん(→マッサージする人)に腰をもませておりましたが、思いのほか下手なので、
「これ、あんまさん。
こう言っては何だが、お前さんより家の下男(げなん→下働きの男の人)の方が、よっぽど上手だぞ。
よくこれで、金を取る気になるものだな」
と、文句を言いました。
「・・・・・・!」
あんまさんは腹が立ちましたが、相手はお客さんなのでじっとがまんをして、もみ続けます。
やがて腰から肩、肩から首すじともんできましたが、耳のあたりをもみはじめると、
(よし、今だ!)
と、ばかり、だんなの耳の穴をしっかり押さえて、
「下手くそで悪かったな。この小言親父!」
と、怒鳴りました。
こんな事が何度も続いたので、この下手くそなあんまさんは、耳をもみのだけは上手になったそうです。
♪ちゃんちゃん
(おしまい)
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