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福娘童話集 > 日本民間故事 > 三月

3月1日の日本民話
(3月1日的日本民間故事)
円海長者(えんかいちょうじゃ)の大牛

円海長者(えんかいちょうじゃ)の大赤牛 (健全普通話版)
圓海地主老爺的大紅牛

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読者 : スタヂオせんむ

むかしむかし、味真野(あじまの)の里の文室(ふむろ)という所に、円海(えんかい)という長者がいました。
在很久很久以前、味真野的文室鄉、這裡就可住了一位叫做圓海的大地主。

ある時、その長者が水無川(みずなしがわ)のほとりを歩いていると、川原に見た事もない大きな赤牛が寝ていました。
正巧有一天、地主老爺今天出來走路散步來到水無川、這時就在河原的草皮上躺著有一隻超級大的大紅牛正在呼呼大睡呢。

「これは、何と大きな牛じゃ」
天啦、這頭牛可真大。

と、感心していると、次の日も同じ牛がいるので、
這頭牛大的可是給地主老爺吃了一驚、而就是第二天昨天的那頭牛它還停留在原地了。

「はて、飼い主はいないのだろうか?」
這頭牛難道就沒有一個主人嗎?

と、不思議に思いました。
地主老爺突然有點納悶了起來。

そしてその次の日も、やっぱり牛は同じ所にねそべっています。
時間繼續來到了第三天、今天的這頭牛果然還是繼續停留在原地一動不動。

長者は立ち止まって、その牛をつくづくながめると、
地主今天不走了、給停下來多看了這頭巨牛幾眼。

「ははーん、きっと底なしの大食らいじゃから、捨てられたのだな。よいよい、わしが面倒をみてやろう」
要我瞧呀、肯定就是這牛的大胃是個無底洞、所以才讓主人給索性不管了吧、好呀好呀、乾脆來我家換我給養養看。

と、言いました。
地主老爺自言自語道。

すると牛はむっくりと起きあがって、うれしそうに体をすり寄せてきたのです。
而牛竟然也像是聽懂了這段話一般緩緩起身、像很高興似的靠近了地主身旁開始蹭呀蹭。

「おお、わしの言葉が分かるとは、感心じゃ」
哎呀、還能聽懂我說話、真乖。

喜んだ長者は、そのまま牛を家へ連れて帰りました。
這下就是連地主老爺也很高興了、就這樣的將牛牽回到了自己的家。

さて、この牛は毎日、まぐさを山ほど食べては寝てばかりいたので、『なまくら牛』と呼ばれるようになりました。
現在就說說這頭大牛吧、它可每一日吃的都是有一座小山那麼多、而且吃完倒頭便睡、就是因為這個原因、人家後來就都叫它懶牛了。

その頃、都では、法皇が三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)という大きなお堂を建てる事になって、その棟木(むなぎ)に使う大木を山から都まで運ぶのに国中の力持ちを集めていました。
時都內法皇正在進行修建名為三十三間堂的大型精舎、並可以說是集結了全國之力召集大力士們進行了木材的運輸、而另一邊預備要被當做是頂梁柱的巨木也在深山之中被很多名大力士給圍住。

ところがどんな力持ちが引いても、大木はびくともしないので、
可就是這一批梁木、無論來了多少名的大力士最後都還是紋風不動。

「さて、どうしたものだろう?」
哎呀、我了個媽呀、你們就說說現在要咋辦吧?

と、役人たちが困っていると、
負責處理木材運輸的官老爺們現在一個個都也是犯起了難。

「それなら、円海長者の大牛に引かせてみたらどうだろう?」
那要不我看就這樣吧、圓海地主家有很大的一頭巨牛呢、把它拉看試試看如何?

と、言う者がいました。
有人這樣提出了建議。

それでさっそく、円海長者の所へ使いが出されました。
就這樣不一會兒、很快就有使者拜訪到了地主老爺的家。

話を聞いた円海長者は、
圓海聽完了事情的來龍去脈。

(さて、あのなまくら牛に、そんな大仕事が出来るだろうか?)
(這能成嗎?我家的這隻大懶牛、況且還是這種非同小可的大案子呢)

と、心配になりましたが、それでも大牛の鼻づらをなでながら言いました。
雖然地主老爺很是憂心、但還是拉起了大牛的鼻環後對它說道。

「お前の力を見せる時が来たぞ。せいいっぱい頑張って、働いて来ておくれ」
見證你神通廣大的時候現在來了、千萬要加油的給我好好幹呀。

すると牛は、のっそりと小屋から出て庭石によだれで字のようなものを書くと、門の外で待つ役人のもとへ歩いていきました。
就這樣大牛悠悠的走出了牛棚來到了後院、在地主老爺院內的一塊大庭石邊先是停下了腳步、沒一會兒功夫還就給石頭上把口水給滴滿了、這是在用口水在上面寫字嗎?隨後的大牛又是一路來到了屋外等候的官老爺邊上。

役人が力試しにと、三かかえもある大石を牛にくくりつけました。
為了試一試大牛、官人先是讓大牛嘗試拉動一塊三人合抱的大石。

すると牛は、平気で大石を引きずっていきます。
而大牛就跟很是輕鬆一樣馬上就拖動了。

「おお、これはすごい!」
哎呀、這傢伙看起來還真不錯!

感心した役人たちは、さっそくその牛を長者ともども若狭(わかさ→福井県)の国へ連れていきました。
官老爺們一個個看著有戲、馬上不僅是大牛連同是地主老爺也一起給人請到若狭國去了。

さていよいよ、大木を運ぶ日がやって来ました。
而真等到了需要展現真功夫拉動巨木的日子到來。

円海長者は、そわそわと落ちつきません。
地主老爺的心頭可謂是完全的一下放心不下。

たくさんの見物人が集まるなか、牛の体に大木をくくりつけた太いつなが何重にもまかれました。
現場不僅是一群大人物都在圍觀、再看向系向了自己大牛的三五重厚實的繩索、而繩索的另一頭現在就連接著巨木了。

ここまで来た以上、もう後戻りは許されません。
事情已經來到了這個地步、已沒有了後路、就算是硬撐也只是強上了呀。

「よし、いいか。わしの気合いで一気に引けよ。わかったな。そーれっ!」
好啦、聽好了大牛、現在就聽我發號施令、我讓拉就拉、明白?給我拉!

長者は大きなかけ声とともに、力一杯たずなを引っ張りました。
只看地主老爺大喝一聲、隨後就是用力了開始拉扯起了牛絡。

大牛は足をふんばって頭を下げると、グイ、グイ、グイーと、つなを引きました。
大牛當下就是四腿一沈、用力似的低下了頭、逐漸發起了力、一步步的拉扯起了身後的繩索。

するとそのとたんに、ミシ、ミシ、ギギーと、大木が動き出したのです。
就這樣、一步一步、終於也是看到了巨木緩緩的開始動了起來。

長者は、顔をまっ赤にして応援しました。
此時的地主老爺也趕快趁熱打鐵、臉紅耳赤的開始給大牛加起了油。

「そーれっ! そーれっ!」
用力!用力!

そして見物人たちまでが、それに合わせてかけ声をおくりました。
就這樣的吶喊聲也逐漸帶動起了現在正在行為圍觀著的大夥們、而馬上、現在就是所有人都在一起為這頭大牛吶喊助威起來了。

そしてそのかけ声に合わせるように、ズズズーッと、大木は若狭の山を下り、都へと無事に引かれていったのです。
就是這樣大傢夥們一路上鼓聲大躁的給大牛搖旗吶喊、大牛也是拖著巨木一路一路的將大木真的自若狹的山裡給平安無事的拖到了都內。

これを知った法皇さまはとても喜んで、円海の牛を、
隨後的法皇也是知道了這個消息、十分的為之動容、將這隻大牛。

「日本一の力牛じゃ!」
這可是全日本第一的大猛牛!

と、ほめたたえました。
給與了這頭巨牛它十分的稱讚。

それからそのほうびとして、たくさんの土地を飼い主である長者に与えたのです。
而作為了大牛的主人地主老爺也是得到了一筆十分豐厚的賞賜、被獎勵到了相當之多的封地。

大牛がよだれで文字を書いた庭石は、『よだれ石』として、今でも文室(ふむろ)の正高寺(しょうこうじ)に残っているそうです。
而後來甚至被這頭大牛當年滴過口水的那塊地主老爺家院子裡的庭石、現在也是被後人奉為了至寶牛涎石、還專門將它給保存在了文室的正高寺裡面呢。

おしまい
结束

↓ ※オタク構文版 (翻訳者の改変意訳バージョンです) ↓

金色のトビ
金鵄

むかしむかし、味真野(あじまの)の里の文室(ふむろ)という所に、円海(えんかい)という長者がいました。
到好久以前、味真野一條喊文室的鄉、有條圓海地主。

ある時、その長者が水無川(みずなしがわ)のほとりを歩いていると、川原に見た事もない大きな赤牛が寝ていました。
有天地主就路過無水河、看到河岸邊邊上面一條大紅牛趴那裡睡覺。

「これは、何と大きな牛じゃ」
這條牛好大哦。

と、感心していると、次の日も同じ牛がいるので、
地主就從來還㫘看這麼大的牛、長見識了、第二天牛又到那裡。

「はて、飼い主はいないのだろうか?」
唉、這牛㫘人管的啊?

と、不思議に思いました。
地主就想這牛莫是條野傢伙哦。

そしてその次の日も、やっぱり牛は同じ所にねそべっています。
三天後、又看到牛趴到它最喜歡的地方到繼續睡。

長者は立ち止まって、その牛をつくづくながめると、
地主這次不動了、站到原地好生幫牛看兩眼。

「ははーん、きっと底なしの大食らいじゃから、捨てられたのだな。よいよい、わしが面倒をみてやろう」
這牛這麼大、估計吃的草也多、莫就這麼到著甩丟的哦、好傢伙、㫘人養我過牽去算了。

と、言いました。
地主就到原地自言自語。

すると牛はむっくりと起きあがって、うれしそうに体をすり寄せてきたのです。
這牛像是聽懂人話樣的、起身了、幫身子對到地主擦。

「おお、わしの言葉が分かるとは、感心じゃ」
好傢伙好傢伙、還曉得我到講甚麼。

喜んだ長者は、そのまま牛を家へ連れて帰りました。
地主笑了個卵脬翻天、幫牛牽回屋了。

さて、この牛は毎日、まぐさを山ほど食べては寝てばかりいたので、『なまくら牛』と呼ばれるようになりました。
就發現這牛是每天吃的多啦、一天要吃一山那麼多秣草、這吃完就睏覺了、名字也喊它懶牛了。

その頃、都では、法皇が三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)という大きなお堂を建てる事になって、
而當時的後白河院、準備到都內搭一間喊三十三間堂的大廟宇。

その棟木(むなぎ)に使う大木を山から都まで運ぶのに国中の力持ちを集めていました。
而因木材的運輸、幫各地的力士都喊過來了。

ところがどんな力持ちが引いても、大木はびくともしないので、
但有一墩大木、所有人了試了、是紋風不動。

「さて、どうしたものだろう?」
這一坨要怎麼搞?

と、役人たちが困っていると、
現場的人邏不出處理方案。

「それなら、円海長者の大牛に引かせてみたらどうだろう?」
圓海它屋有條牛好大、借過來先看拉的動吧?

と、言う者がいました。
有人就講了。

それでさっそく、円海長者の所へ使いが出されました。
這就喊人去喊地主幫忙。

話を聞いた円海長者は、
地主曉得了。

(さて、あのなまくら牛に、そんな大仕事が出来るだろうか?)
認為自己牛看起來大、但是每天除了吃就是睡、違還有這本事啊。

と、心配になりましたが、それでも大牛の鼻づらをなでながら言いました。
有點覺得不靠譜、摸到牛鼻子就講。

「お前の力を見せる時が来たぞ。せいいっぱい頑張って、働いて来ておくれ」
讓牛用點勁、幫木頭拉走起來、莫浪費了你這麼大的塊頭。

すると牛は、のっそりと小屋から出て庭石によだれで字のようなものを書くと、門の外で待つ役人のもとへ歩いていきました。
大牛這就出了牛棚、對到院子的一塊大嵒頭上面滴到口水的、像是到寫條甚麼字樣的、搞完、跑到門外面等到的傳話人那裡去了。

役人が力試しにと、三かかえもある大石を牛にくくりつけました。
別個就試下子這牛行不行、三抱大嵒頭裝車讓牛拖。

すると牛は、平気で大石を引きずっていきます。
大牛好輕鬆的就拖起嵒頭走了。

「おお、これはすごい!」
好像是有點搞頭啊!好傢伙好傢伙。

感心した役人たちは、さっそくその牛を長者ともども若狭(わかさ→福井県)の国へ連れていきました。
報信的就拖到牛加地主一起、往若狭趕了。

さていよいよ、大木を運ぶ日がやって来ました。
這就到拖巨木的時候啦。

円海長者は、そわそわと落ちつきません。
地主心裡也是不怎麼穩當。

たくさんの見物人が集まるなか、牛の体に大木をくくりつけた太いつなが何重にもまかれました。
這就所有人都圍到看戲、巨木已經被索子綯穩到了、另一頭也一圈圈到牛身上纏穩固起來。

ここまで来た以上、もう後戻りは許されません。
好、要開始搞正事了。

「よし、いいか。わしの気合いで一気に引けよ。わかったな。そーれっ!」
差不多了、聽我命令啦、我一䛥你就拉、䛥一下拉一下。

長者は大きなかけ声とともに、力一杯たずなを引っ張りました。
地主這就開始唏了、同時也用力拉扯頭絡。

大牛は足をふんばって頭を下げると、グイ、グイ、グイーと、つなを引きました。
大牛這就四踋一沈、腦鬠也開始往地上佝、開始發力拉扯索子了。

するとそのとたんに、ミシ、ミシ、ギギーと、大木が動き出したのです。
就看到慢慢巨木過動起來了。

長者は、顔をまっ赤にして応援しました。
地主也跟自己屋的牛鼓勁。

「そーれっ! そーれっ!」
假勁!假勁!

そして見物人たちまでが、それに合わせてかけ声をおくりました。
旁邊看熱鬧的也是一起鼓氣。

そしてそのかけ声に合わせるように、ズズズーッと、大木は若狭の山を下り、都へと無事に引かれていったのです。
這就一路拖啊拖、沿路喊啊喊、過就真拖下山了、一路往都內去了。

これを知った法皇さまはとても喜んで、円海の牛を、
後面後白河院曉得這事也是笑了個卵脬翻天、幫圓海地主的牛。

「日本一の力牛じゃ!」
と、ほめたたえました。
讚它是全國第一。

それからそのほうびとして、たくさんの土地を飼い主である長者に与えたのです。
圓海是牛主人也享了福、靠賞賜分得了好多田地。

大牛がよだれで文字を書いた庭石は、『よだれ石』として、今でも文室(ふむろ)の正高寺(しょうこうじ)に残っているそうです。
而大牛用口水寫字的那塊嵒頭、涎石、現在還到文室的正高寺裡面保存到的。

おしまい
结束

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