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キツネ と ハリネズミ
(イソップどうわ)
にほんご ・ えいご ・ ちゅうごくご
にほんご & えいご ・にほんご & ちゅうごくご
ギリシャ の エーゲかい の しま の サモス で、ひとり の せいじか が しけい を いいわたされた とき に、
イソップ が その いのち を たすけよう と して、こういう はなし を しました。
「キツネ が かわ を わたろう と する とき に、ながされて がけ の いわ の あいだ に はさまりました。
そこから でる こと が できず、ながい あいだ くるしんで いますと、ダニ が たくさん たかりました。
そこへ やってきた ハリネズミ が、それ を みて きのどく に おもい、ダニ を とって あげようか と いいます と、キツネ は とらず に おいて もらいたい と いいました。
ハリネズミ が どうしてか と ききます と、
『こいつら は、わたし の ち を、もう たくさん のんだ から、あと は たいして すわない が、
こいつら を とってしまう と、おなか の すいた べつ の ダニ が きて、のこり の ち を のんで しまう だろう』
と、いいました」
それから イソップ は、ことば を つづけて いいました。
「ところで しょくん。
この せいじか は、この さき、もう がい を くわえません。
なぜなら、かねもち に なって いる から です。
ところが、しょくん が この ひと を ころせば、ほか の びんぼうな やつ が やってきて、
しょくん の くに の おかね を こっそり つかって しまいます」
イソップ の はなし に かんしん した ひとたち は、その せいじか を ゆるしてやる こと に しました。
けんりょく を もった ひと は、まず じぶん の ため に はたらき、じぶん が じゅうぶん ちから を つけた あと で、ひと の ため に はたらく こと を、この おはなし は おしえています。
おしまい
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