まんじゅう こわい
ちょうない の わかいもの が に、さんにん よりあつまって、おしゃべり を しています と、やせた あおじろい かお の おとこ が、
「どうした、どうした」
「じつ は、おれ は まんじゅう が どうして も こわくて こわくて。はっ、はやく、どこか へ かくしてくれ」
と、いう ので、ひとまず ものおき に かくして やりました が、いたずらずき の ひとり が、
「どうも おかしな やつ だ。ひとつ、いたずら を して やろう じゃないか」
さっそく まんじゅうや から まんじゅう を かい、おぼん に やまもり に つんで ものおき の なか へ いれる と、と を ぴしゃり と しめて おさえていました。
ところが しばらく たっても、おと ひとつ しません。
と、と を あけて みると、なか の おとこ は まんじゅう を のこらず たべて しまい、くち の まわり の あんこ を べろべろ なめて います。
「あれっ? おまえ を おどかして やろう と おもった のに くっちまう とは、どこ が こわいんだ」
「こんど は、おちゃ が こわい、おちゃ が こわい」 おしまい |
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