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1月30日の日本の昔話
大いびき善六
有名个倒樹人善六
・日本語 ・日本語&中国語 ・客家語 ・日本語&客家語
客家語 : 鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、善六(ぜんろく)という木びき(→木を切り倒す仕事)がいました。
頭擺頭擺,有一個安到善六个倒樹人。
大男のくせに怠け者でしたから、一日かかっても仲間の半分ほどしか仕事がはかどりません。
生到盡高大毋過盡懶ㄕ,一日做个事無人做半日恁多。
「善六かよ、あいつはとてもものになるめえ」
「善六啊,像你這種脚士下二擺會變大人物。」
みんなは善六を、『大びき』でなく『小びき』だと馬鹿にしていました。
大家認為善六毋係有名个倒樹人,係細倒樹人,看佢毋起。
それを聞いて、善六は面白くありません。
善六聽著非常毋歡喜。
そこで近くの神社にお参りをして、日本一の大びきになれる様に願をかけるとにしたのです。
所以佢去就近个神社參拜,祈求成為日本第一个倒樹人。
「何とぞ神さま、神社の前に寝そベっている大きな石のウシをひける程の力を授けたまえ」
「無論仰般愛賜𠊎,摎神社面前揾等該條石牛鋸開來恁大个力量。」
やがて、満願(まんがん→願かけが終わる日)の日が来ました。
盡遽,許願期限會滿个日仔到咧。
善六は試しに、寝そべりウシをひいてみる事にしました。
善六試摎揾等个石牛鋸看啊。
ギイコー、ギイコー・・・
gi11 ko11gi11 ko11...
善六のノコギリは、たちまち石で出来た大きなウシを、真っ二つに切り割ってしまいました。
善六个鋸仔一下仔就摎石牯做个牛鋸做二析。
「やった!もう今までの『小びき』の善六ではないぞ!これからは『大びき』の善六さんと呼んでもらおうか」
「成功咧!𠊎毋係頭擺个『細倒樹人』善六哦!從今以後係毋係愛喊𠊎『有名个倒樹人』善六!?」
ところが山へ入って仕事にとりかかったものの、さっぱり仕事がはかどりません。
毋過去到山頂開始做事个時節,完全無法度做事。
石を真っ二つに出来たノコギリなのに、うまく木が切れないのです。
做得摎石牛鋸做二析个鋸仔無辦法鋸樹仔。
その様子を見ていた親方が、ゲラゲラと笑いました。
看到這種情形个師傅哈哈大笑。
「善六よう。願かけが間違っていたんじゃねえか?木びきは木をひくのが仕事だぞ。お前は石をひくとしか頭になかったろうが」
「善六啊,求神許願會講毋著麽?鋸樹做个事摎鋸石牯無共樣!」
それを聞いて、善六はハッと目が覚めました。
聽到師父恁樣講善六正昏醒。
「そうだ、おらは力持ちを良い事に、天狗になっていたのかもしれん。よし、もういっペん神さまにお願いしてみよう」
「有影,𠊎想有力就好,忒沙鼻也無一定。好,再過去求神許願。」
改心した善六の目からは、ポタポタと涙がこぼれていました。
悔改以後个善六,目珠流出目汁。
「神さま、おらが間違っていました。心を入れ替えて、ちっこい丸太をひく事からやり直します。どうか見守って下さいまし」
「神明在上,𠊎毋著咧,愛鋸大樹仔毋係鋸石牯,請你保佑𠊎。」
そして善六が一晩中かかって、やっと一本の丸太をひき終えた時、善六の腕にはまるで石の様な力こぶが出来ていました。
善六歸暗晡鋸好一頭大樹个時節,善六个手脾起一個像石牯樣个大肉硈。
善六は、その日から人が変わった様に仕事に励みました。
自該日以後善六歸個人變忒咧,煞猛做事。
励むにつれて、その仕事の確かさが評判になっていきます。
煞猛以外又實在,大家都阿𧩣。
ある時、江戸の工事現場ヘ出かけた事がありました。
成時去江户工地現場做事。
主人は大きなノコギリを背負って現れた善六を見ると、ちょっとからかってやろうと思いました。
頭家看著善六背等大鋸仔,想撩佢一下。
「おい若い衆。一丁ひいてみな。ただし、スミの通りだぞ」
「噯!後生條仔,鋸成垤來看,毋過愛照畫个墨線來鋸哦!」
そう言って、大きな丸太にスミで波の様な模様(もよう)を描いたのです。
講忒就拿墨斗出來在一枝大樹畫一條海浪樣个墨線。
「はい」
「好!」
善六は短く返事をすると、たちまち波の様な模様をひき終えました。
善六簡單應佢後,一下仔就照海浪个樣仔鋸好了。
大ノコギリ一つで、これほどの難しい模様をひき切るのは大変な事です。
用大鋸仔鋸出像這恁難个樣仔,係盡困難个事情。
「これは参った。大した腕前だ」
「這𠊎輸你,了不起!」
こうして善六の名は、江戸でも有名になりました。
因為這善六在江户乜變盡出名。
木びきの仲間たちは、
「善六かよ。ありゃあ、ただの木びきじゃねえ。『大びき』というもんだ。あのくらいのひき手は、広い江戸にも他にあるみゃあよ」と、うわさしたそうです。
聽講倒樹仔个同事傳言講:
「善六啊!該毋係普通个倒樹人。係有名个倒樹人,該種程度个人在江户地方無第二儕人。」
おしまい
煞了
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